イタリア、新型ウイルス死者・感染者が大幅増 対策費倍増へ
[ローマ 5日 ロイター] – イタリア当局は5日、新型コロナウイルス感染の死者が過去24時間で41人増えて148人に達したと発表した。感染者も3858人と、前日の3089人から増加した。
1日当たりの死者・感染者数はともに、2週間前にイタリア北部で初の感染が確認されてから最多となる。
当局によると、致死率は3.8%と前日の3.5%から悪化した。
コンテ首相は記者会見で「一丸となる必要があり、さもなければこの危機を乗り越えることは難しい」と述べ、国民の結束を促した。
感染拡大が深刻な北部ロンバルディア州当局は、緊急以外では病院に行かないよう住民に呼び掛けた。
また、イタリアで14日に開催が予定されていたラグビー6カ国対抗のイタリア─英国戦の中止が決まった。
感染拡大ペースに衰えが見られない中、政府は新型ウイルス対策費を当初額から倍増すると発表した。保健サービスのほか、家計、企業などを支援する資金が直ちに必要だとした。
グアルティエリ経済・財務相は、政府が75億ユーロ(84億ドル)を拠出するとともに、現在国内総生産(GDP)比2.2%の財政赤字目標を引き上げる承認を欧州連合(EU)に求めると述べた。
新たな赤字目標はGDP比約2.5%で、来週に予定される議会採決を通過する必要がある。
業界団体のイタリア産業総連盟は、第1・四半期と第2・四半期のGDPがともに縮小すると予想。3─5月にかけて国内・海外旅行者が3200万人減少し、観光業が約74億ユーロの打撃を受けるとした。
政府はまた、29日に予定していた議会の議員定数削減の是非を問う国民投票の延期を決定した。新たな日程は未定。国民投票の延期によって、年内に早期総選挙が実施される可能性が低下した。
*内容を追加しました。
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