新型コロナに「破壊的」措置必要、米国民25%が感染も=ボストン連銀総裁

[ワシントン 13日 ロイター] – 米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は13日、米国の人口の約4分の1が新型コロナウイルスに感染する恐れが現実的にあり、封じ込められなかった場合、米国の医療システムは「大きなストレス」にさらされると警告した。

中央銀行当局者がこうした見解を示すのは異例。しかも現在は連邦公開市場委員会(FOMC)前に当局者が発言を控える「ブラックアウト」期間に入っており、事態がいかに逼迫しているかが示された。

ローゼングレン総裁はマサチューセッツ・ジェネラル病院災害医学センターのポール・ビディンガー博士とともに発表した声明で、「人口の4分の1、もしくはこれを上回る規模の感染が起きることは現実味を帯びているが、こうした事態になった場合、米国は極めて困難な状況に直面する」と指摘。

「パンデミック(世界的な大流行)の封じ込めに向けた措置は破壊的で、人々に不便をもたらす。ただ、こうした措置を実施することは正しい。今が実施すべき時だ」とし、企業に対し、感染拡大阻止に向け従業員の移動や会議の開催を控えるよう呼び掛けた。

ビディンガー博士との共同声明は事態が逼迫していることを示すと同時に、企業や政府組織の対応の遅れも批判。「多くの人が集まるイベントの中止や在宅勤務の奨励のほか、当面の間需要減に直面する可能性のある企業などの支援」が必要とし、「こうした措置の実施は難しく、何らかの調整が必要になる可能性があるが、新型ウイルス感染拡大の阻止につながるため、実施する価値は十分にある。不便ではあるが、はるかに悪い状況を未然に防げる」とした。

 

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