西村再生相が減税論に理解、「財政収支議論するときでない」

[東京 17日 ロイター] – 西村康稔経済再生相は17日の閣議後会見で、与野党で要望の出ている消費税率引き下げに関連し、消費税は社会保障に必要だが、税・財政・規制改革を幅広く議論するとし、減税論に一定の理解を示した。

さらに、景気ウオッチャー調査などマインド指標がリーマン・ショック並みに悪化しているとも指摘。今は経済立て直しが最優先で「プライマリーバランス(基礎的財政収支)を議論するときでない」と述べた。「必要な財源は財務省が確保する」とも指摘した。

<必要なこと「全部やる」、財源は財務省が確保>

自民党の安藤裕衆院議員ら若手議員は11日、「令和恐慌回避」を掲げ、消費税率ゼロやプライマリーバランス目標凍結を提言し、西村再生相に手渡した[nL4N2B41BX]

西村再生相は消費増税について「消費税は全額を社会保障に充てることになっており、子育て世代の負担軽減につながっているが、そのようなことを頭に置きながら、今回(新型コロナウイルス感染症が)これだけの影響が出ているため、税・財政、規制改革、規制も含め、幅広くしっかりと議論し、必要な対策を講じていきたい」と説明した。

そのうえで「今プライマリーバランスをどうするという話を考えるときではなく、とにかく経済をしっかり立て直すため、必要なことを全部やる」と明言。「必要な財源はしっかりと財務省において、考えていただけると思っている」と述べた。

<リーマンと異なり、実体経済が金融に波及を懸念>

米国、日本が相次いで金融緩和強化を打ち出したにもかかわらず、米ダウ平均株価が史上最大の急落を記録したことに関しては、新型コロナウイルス感染拡大を巡る不透明感を反映していると評した。

今回のコロナショックについては、リーマン・ショックとは異なり、「金融は緩和されており、企業は内部留保を積み上げているが、感染拡大のために各国政府がとった施策が経済を止めており、実体経済が企業の資金繰りなど金融悪化につながる可能性がある」と分析した。

 

(竹本能文 編集:内田慎一)

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