イラン外相 3国歴訪 米国の圧力強化で時間稼ぎか

2026/05/01 更新: 2026/05/01

イランのアラグチ外相は4月24日から27日にかけて、パキスタン、オマーン、ロシアを相次いで訪問し、短期間で集中的な外交活動を展開した。ロシアのプーチン大統領がイランへの支持を表明した。ほぼ同じ時期に、プーチン氏はトランプ米大統領と90分にわたり電話会談を行い、イラン問題について協議した。

米国が海上封鎖を強め、イラン経済への圧力が高まる中、イランによる一連の外交攻勢は、交渉への布石なのか、それとも政権維持に向けた時間稼ぎなのか、外部の関心を集めている。

アラグチ氏はサンクトペテルブルクでプーチン氏と会談し、米国とイランの協議や停戦問題について意見を交わした。ロシア側は、イランの立場を支持する考えを明確にした。

会談後まもなく、プーチン氏はトランプ氏と90分以上にわたり電話で協議した。ホワイトハウスによると、双方は、イランがイスラエルを脅かす能力を持つべきではないとの認識で一致した。こうした一連の動きは、ロシアがイランに支持のシグナルを送りつつ、米国との対話ルートも維持しようとしていることを示している。ロシアは衝突の中で、イランと米国の双方に布石を打つ両面外交を進めているとみられる。

ただ、分析では、イランの狙いは、合意を前進させることよりも、米国の圧力をかわすことにあるとみられている。

軍事評論家の馬克氏は「もちろん、イランは外部からの支援を求めている。武器や弾薬、防空システム、さらには民生物資も含まれる。イラン側としては、現体制を延命させたいのだろう。そうすることで、これまで通り支配を維持できるからだ」と述べた。

分析によると、米国による軍事的圧力と経済封鎖の二重の圧力を受け、イランは防空能力の低下やエネルギー輸出の停滞という困難に直面している。ロシアとの関係を深めることで、軍事・物資面の支援を得るだけでなく、第三国の関与を通じて交渉や停戦協議を引き延ばし、政権維持のための時間を確保しようとしているとみられる。

馬克氏は「ロシアと中共の関与は、実際にはイランの神権体制に一定の実質的な支援を与えるものだ。政権にとっては延命材料となり、体制をより長く持ちこたえさせることになる」と語った。

一方、交渉をめぐる情勢は依然としてこう着している。米国とイランの主要な対立点は、核問題とホルムズ海峡の支配権に集中しており、短期間での打開は難しいとみられている。

馬克氏は「この体制が続く限り、合意に達する可能性はほとんどない。これらの問題について、米国は現体制との協議継続を望んでいないと思う。むしろ、強力な経済封鎖による圧力で、この体制を崩壊に追い込もうとしている」と指摘した。

一方、米国によるイランへの海上封鎖はさらに強化されている。エネルギー輸出が制限される中、イランの製造業や石油化学産業にも操業停止の動きが広がっているとされ、失業問題も急速に悪化している。専門家は、封鎖がさらに強まれば、油田の生産停止にまで発展し、イラン経済に長期にわたる深刻な打撃を与える可能性があると警告している。

こうした状況を踏まえ、馬克氏は、米国の戦略が短期的な交渉による解決ではなく、長期的な圧迫へと徐々に転換しているとみている。中東情勢は長期的な対立の構図へと向かいつつあり、今後の展開は、内外からの圧力に対してイランがどこまで耐えられるかにかかっていると指摘されている。

 

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