米上院議員が暴落前に株を大量売却、新型コロナの説明受けた後

[ワシントン 20日 ロイター] – 新型コロナウイルスの流行について非公開の説明を受けた共和党の上院議員2人が、株式市場が急落する前に保有株を大量に売却していたことが判明し、インサイダー取引だと批判を受けている。辞任要求も出ているが、両者とも疑惑を否定している。

上院情報特別委員会委員長リチャード・バー議員はほぼ連日、各情報機関から新型コロナの脅威について情報の提供を受けている。政府は新型コロナと戦う準備ができているとバー議員は国民に訴えたが、その後の2月13日、33回に分けて最大170万ドル相当の株式を売却した。

ケリー・ロフラー議員も、新型コロナについて説明を受けてから数週間のうちに数百万ドル相当の株式を売却したことが公的な文書で明らかになった。

両議院ともに不正疑惑を否定しているが、インサイダー取引疑惑を指摘する報道を受け、辞任を要求する声も出ている。

上院情報特別委員会委員長のバー議員は、新型コロナが米国に及ぼす影響について、機密情報を知る立場にある。ナショナル・パブリック・ラジオが入手した録音データによると、バー氏は株式売却の2週間後、ワシントンでの昼食会で「ここ最近の歴史の中で我々が見たいかなるものよりも」悪性が強いなどと語っていた。

バー議員は2月13日の株式売却について、一般的な報道に基づいて判断したとしている。その上で、上院の倫理委員会のジェームズ・ランクフォード委員長に問題を徹底的に調査するよう要請したとの声明を発表した。

ランクフォード氏はコメントを拒否した。

一方、今年1月に就任したばかりのロフラー議員は1月24日から2月中旬にかけ、27回の取引で最大310万ドル相当の株式を売却した。最初に報じたリベラル系ニュースサイト、デイリー・ビーストによると、同氏は新型コロナに関する上院議員向けの非公式説明会に出席した後、株式の売却に着手したという。

ロフラー議員はツイッターに、株式売却について知らされたのは取引の3週間後で、自身の保有資産の投資判断には関与していないと投稿。一連の疑惑報道について「ばかげた根拠のない攻撃だ」としている。

 

 

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