EU、新型コロナでアフリカや中南米など支援へ 200億ユーロ拠出

[ブリュッセル 8日 ロイター] – 欧州連合(EU)は、新型コロナウイルス感染拡大の打撃を受けているアジアやアフリカ、中南米、バルカン地域の国々を支援するため、200億ユーロ以上を拠出すると明らかにした。

新型コロナの感染が世界的に広がるなか、主要20カ国・地域(G20)首脳らは世界経済を下支えするための多額の資金拠出を表明している。オックスファムやカリタスなどの慈善事業団体は、貧困国向けの緊急支援が必要だと訴えている。

EUのジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表はEUの外相らとの電話会議後に「パンデミック(世界的な大流行)は世界的な取り組みでのみ解決できる。全ての地域で(ウイルスを)封じ込めない限り、封じ込めたことにはならない」と指摘した。

ボレル氏は、EU共通予算内の緊急度が低い海外支援制度枠の予算で支援資金の大半を賄うが、できるだけ多くの資金を調達するため、欧州投資銀行(EIB)、欧州復興開発銀行、欧州委員会、およびEUの各国政府が協力して取り組んでいると述べた。

EIBが50億ユーロ以上の緊急融資を行うと述べ、各国の開発支援が削減されることはないと説明した。

カリタスの欧州部門代表は「これは正しい方向に向かった最初の一歩となるが、今後、強固でしっかりとした支援措置によって補完される必要がある」と指摘した。オックスファムは、公衆衛生システムを改善し、全ての人にウイルス検査を無料で提供するため、国際的な行動が必要だと訴えている。

また、欧州委員会は別に発表した声明で、支援資金を活用し、緊急対応や医学研究、医療機器の提供、長期的な財政支援などを行うと説明した。

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