【紀元曙光】2020年4月11日

小欄の筆者が、その国を高校の世界史で習ったときは、確か、オスマントルコと言っていた。

▼今はオスマン帝国と呼ぶらしい。14世紀から、最終的には20世紀の初めまで存続する。17世紀に最大領土となったときは、西アジアから北アフリカ、および東欧の一部と地中海を支配下におく巨大帝国となった。

▼その後は、北方のロシアからの圧力を主因として衰亡の一途をたどるが、ともかく600年間に渡る長大な王朝を築いたのは、中国のそれを超えて、驚くべきことだろう。

▼19世紀の終わり近く、オスマン帝国の威信回復をかけて、軍艦エルトゥールル号が東洋の日本へ送られた。その帰途である1890年9月16日、紀伊半島南端の紀伊大島の岩礁に衝突して沈没。死者500人を超える大惨事となるも、地元漁民の献身的な努力により69人を救助する。その後、明治帝の勅により、日本海軍の軍艦で生存者全員を無事本国へ送還している。

▼これを日本への大恩として、トルコ国民は今も忘れていないという。第一次救助にあたった漁民は、トルコという国を知りもしなかった。ただ、目の前の遭難者を助ける、その一心で命綱を腰につけ、荒海に飛び込んだ。トルコ人の親日感情は有難いが、その前に、現代の日本人である私たちは、あの時の紀伊の漁民の精神に、もっと学ぶべきではないか。

▼トルコにおける、中共ウイルス感染者は4万2千人を超え、死者は9百人を超えた。後発ながら、感染爆発国の一つとなったのは明らかだ。我が日本の兄弟国であるトルコのために、せめて病禍の大ならぬことを祈ろう。

▶ 続きを読む
関連記事
研究では、生物学的年齢は生活習慣によって変わることが判明。運動、食事、睡眠、喫煙・飲酒の回避、ストレス管理の5つを改善するだけで、老化を遅らせ、寿命を延ばす可能性が示された。習慣の見直しは何歳からでも効果があるという。
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
人気食材アボカドには、歴史・性の健康・怪我・アレルギー・動物毒性まで意外すぎる秘密が満載。読むほど驚きが続く「7つの知られざる真実」をご紹介します。
数百年前の喫煙習慣が、なんと骨にまで刻まれていた──。最新研究が明かした「骨が語る喫煙の記憶」は、健康観を揺さぶる驚きの事実です。
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。