米、武漢ウイルス研を懸念 国務長官が施設立ち入り要求

[ワシントン 29日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は29日、世界中に感染が拡大した新型コロナウイルスの発生源を巡り、中国湖北省武漢市にあるウイルス研究所について、米政府は今もなお懸念を持っているとした上で、施設への立ち入りを認めるよう中国側に改めて要求した。

新型ウイルス(SARS-CoV-2)の起源を巡っては、トランプ米大統領は15日、武漢市にあるウイルス研究所から流出した可能性があるか米政府が調査していると表明。一方、中国科学院武漢ウイルス研究所(WIV)は、同研究所が新型ウイルスを製造し漏洩させたとする説を事実無根として否定している。[nL3N2C407R][nL3N2CG2B2]

ポンペオ長官はFOXニュースのインタビューに対し「中国の研究所について、われわれは大きな懸念を抱いていた」とし、「中国共産党は国内の研究所で何が行われているのか情報を開示していないとの懸念はなお払拭されていない」と述べた。

その上で、中国当局は今もなおウイルスに関する情報を開示しておらず、米国の専門家による視察を許可していないと指摘。「現地への専門家派遣にわれわれは尽力しているにもかかわらず、中国は隠蔽しようとし、真実を見えにくくしている。これは誤った態度で、世界に対する脅威となっている。武漢で実際に何が起こったのか、解明する必要がある」と述べた。

さらに「中国国内では依然、複数の施設で病原体の研究が行われていると考えられるが、今回のような事態を繰り返さないためにも、果たして十分に安全確保がなされているのかが見えない。中国共産党がわれわれのパートナーだと主張するのなら、情報共有は必須だ」とした。

米紙ワシントンポストは今月、米国務省が2018年に外交公電で、武漢の研究所の安全面と運営面での体制の脆弱性を警告したと報じている。

多くの科学者は新型ウイルスは自然界で発生し、コウモリやセンザンコウなどの動物が媒介しヒトに感染できるようになったと考えている。武漢ウイルス研究所は、同研究所が研究目的でコウモリから採取したコロナウイルスが事故で流出したとする説も否定している。

*内容を追加しました。

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