中国、3月以降アフリカ豚コレラ感染14件確認、当局「厳しい状況」
中共ウイルス(新型コロナウイルス)が発生した中国では3月以来、強い感染力と高い致死率を持つ豚の感染病「アフリカ豚コレラ(ASF)」が再び流行し始めた。中国当局は、ASFの感染防止対応について「複雑で厳しい状況」と発表した。
中国農業農村部は4月29日、各レベルの家畜保健衛生部門に対して、ASFの感染拡大防止措置を一段と強化するよう要求した。「今年末までに、豚肉の生産量を通常の水準までに回復させることを目標にする」とした。
当局によると、3月以降、湖北省や四川省、陝西省、江蘇省など9の省・市で、豚のASFの感染が13件と、イノシシのASFの感染が1件確認された。当局は、昨年11月から今年3月まで、中国国内での感染は4件しかないとした。昨年11、12月はそれぞれ2件。今年1、2月は感染が確認されていないという。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)4月29日付は、中国当局が公表したASFの感染報告件数に不信感を示した。同紙は、獣医や農業専門家の話を引用して、昨年末以降、中国国内でASFが依然として大流行しているとの見方を示した。
台湾メディアの報道では、今年2月3日、中国本土と最も近い金門県の沿岸で豚の死骸が浮かんでいるのが発見された。金門県の動植物防疫所が、豚の死体を調べた結果、ASFに感染していることが分かった。中国本土のASFウイルス株と一致したという。豚の死骸は中国本土から漂流してきたとみられる。
また、金門県では4月16日にも、中国本土から漂流してきた豚の死骸が発見された。2月と同様に、豚の死骸からASFウイルスが検出された。
中国では2018年8月にASFが発生した。中国メディアによれば、中国農業大学動物科技学院の李徳発・院長は2019年9月24日、ASFのまん延は中国経済に1兆元(約15兆円)の直接の損失をもたらした。豚の病死や殺処分で、豚肉の供給が激減し、豚肉の価格が急騰した。この結果、中国の消費者物価指数(CPI)が大幅に上昇し、インフレが進行したと示した。
中国国家統計局は4月9日、3月のCPIは前年同月比4.3%上昇したと発表した。うち、食品価格が同18.3%上昇し、豚肉価格は同116.4%値上がりした。2月のCPIは同5.2%上昇。2月の豚肉価格は同135%上昇した。豚肉の供給不足は改善されていない。
中国国内では現在、中共肺炎、アフリカ豚コレラ、鳥インフルエンザのほかに、ペスト、エビやロブスターなどの甲殻類が感染し死滅する「十脚目虹ウイルス」、A型肝炎の感染が流行っている。さらに、中国当局は、国内でアフリカ馬疫の発生にも警戒している。
(翻訳編集・張哲)