米国防長官、米軍は南シナ海での作戦を強化 北京にシグナル送る

米国防総省マーク・エスパー長官は5月5日の会見で、同国海軍が最近2回にわたり南シナ海で航海の自由を展開したことについて、米国が中国政府に対して、すべての国のために航行の自由と通商の自由を守り続けるという明確なシグナルを送るためだと述べた。 

米軍は4月29日、中国が領有権を主張する南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島付近に巡洋艦を派遣した。28日にはミサイル駆逐艦を西沙(英語名パラセル)諸島の周辺海域に送った。

エスパー長官は、世界が中共ウイルス(新型コロナウイルス)の流行の対応に追われ危機的状況にあるなか、中国共産党はこの状況を利用して、中国側の利益に繋がるような行動を取っていると述べた。

「自らの印象をよくするために人々をだまし、ニセ情報を広め続けている。いっぽう、南シナ海では、フィリピンの軍艦を脅したり、ベトナムの漁船を沈めたり、他国に海洋石油・ガス探査をしないように脅したりと、攻撃的な動きを見せている」

エスパー長官はまた、中国側は「伝染病の情報が不透明」であり、「責任を(他国に)転嫁することで自らのイメージを向上させようとしており、虚偽の情報プロパガンダ政策を強化している」と非難した。

この会見の前日、エスパー長官は、南シナ海での中国軍の活発化を受けて、米インド太平洋軍司令部は対応を強化し、水上、水中、空中を含む南シナ海での米軍の活動のペースを加速させると述べた。

台湾軍も、この米軍の活動が強化されていると述べている。

5月2日、台湾与党・民進党の王定宇議員は立法院(国会に相当)で、米軍の爆撃機や電信偵察機の最近の動態について質問した。台湾の鄭栄峰・空軍参謀長は、米軍の通信偵察機が南シナ海付近で活動しており、海上と水中の両方で軍事作戦が行われているとした。また、台湾空軍は定期的に部隊を派遣して、「非常に重要な」空域をパトロールしていると述べた。

米空軍は5月、B-1B超音速爆撃機を西太平洋と台湾近海のパトロールのため、3度飛行させている。米軍電気偵察機は4月、台湾周辺海域で少なくとも9度飛行した。

米空軍は4月17日、米領グアムのアンダーソン基地からB-52爆撃機を撤退させた。米軍の影響力の低下が懸念されたが、台湾側はこれを否定している。

王定宇議員は、米空母「ニミッツ」が近い将来、台湾や南シナ海で運用されるのかどうかについて質問した。 台湾の厳徳発国防部長(国防相)は、米海軍は地域の活動に積極的であり、調整を行っているのだろうと述べた。また、台湾軍はこの展開を注視しているとした。

米軍が台湾軍を加えた会議を最近、行っている。米太平洋空軍は4月29日、台湾を含む19カ国の空軍参謀総長や指揮官とテレビ会談を行い、中共ウイルスの感染状況や対応について意見交換した。米軍は5月2日に明かした。台湾中央社の取材に応じた台湾軍関係者は、米国とのテレビ会議や軍事交流は以前から実施されていると語った。

(翻訳編集・佐渡道世)

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