インド、コロナ追跡アプリを強力推進 「中国化」の懸念も

[ニューデリー 14日 ロイター] – インドが、新型コロナウイルスの感染対策として、追跡アプリを積極的に活用している。モディ首相は、新型コロナ封じ込めのかぎと自賛するが、世界2位の人口を持つ国が中国のようなIT(情報技術)を駆使した監視国家になると懸念する声もでている。

インドが導入したのは「Aarogya Setu(健康の架け橋)」と呼ばれるアプリ。他の国で採用されたアプリと同様、近距離無線通信技術のブルートゥースを使って人の接触を記録し、感染者が近くにいる場合は警告を発する仕組みだ。ただ、それに加えて、全地球測位システム(GPS)データを利用して、ブルートゥースで収集した情報を増強し、中央管理のデータベースを構築する。これは大半の国がプライバシー保護の観点から差し控えている領域に踏み込む政策だ。

さらに、モディ政権は今月、感染防止のための封鎖措置の緩和に伴い、仕事に復帰する官民労働者すべてにアプリの使用を義務付けた。この措置にデジタル権利の団体からは反発の声があがっている。

ソフトウエア・フリーダム・ロウ・センター(SFLC)によると、インドは民主主義国で唯一、追跡アプリの使用を義務付けた国という。

インドで、初のデータ保護法制定の取り組みを主導する元最高裁判事のBNスリクリシュナ氏は「政府は事実上、(アプリ使用を)強制し、合意なくデータを収集している」と述べ、知らないうちに基本的人権が侵害され、裁判所がそれに対応しないのなら、中国よりひどい状況になると指摘した。

しかし、モディ政権はこうした批判の声にひるむ様子はない。出稼ぎ労働者などがふるさとに帰るための特別列車の運行を管轄する鉄道省は、乗客全員に、乗車前のアプリのダウンロードを命じた。

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