日本では生活習慣に起因する疾病として主にがん、脳血管疾患、心臓病があり、日本人の三大死因として挙げられます。特に、心臓病を予防するには、不適切な生活習慣を改めることが重要です。
長テレビに濃いお茶
お茶を飲みながら長時間テレビを見るのが楽しみ、という方もいるでしょう。『国際流行病学雑誌』に掲載された報告によれば、たとえ健康な人でも長時間テレビを見れば、致命的な結果を起こす可能性があるといいます。毎日テレビを1時間見ると心臓病のリスクが7%増加し、4時間見れば28%増加します。さらに、濃いお茶やコーヒー、アルコールなどの刺激性の飲み物を合わせれば、心拍数が増加し、心臓の負担を強めます。高齢者は毎日のテレビの時間を1~2時間以内に抑え、できるだけ濃いお茶を飲まず、心臓に対する刺激を避けるようにしましょう。
疲労時にサウナ
中高年に人気のサウナ。サウナの高温環境は、体の皮下血管を急速に拡張し、皮膚の血流量は普段の3~5倍増加、心臓に戻る血流量も著しく増加します。これは、心臓に大きな負担をかけることになります。疲労ぎみの時に深酒してサウナに入ると、さらに危険です。高齢者、心臓病、高血圧の患者はサウナを利用しない方がいいでしょう。
密室でタバコの煙を吸う
タバコの煙にはニコチン、一酸化炭素など数千種類の有害物質が含まれています。これらの物質は血管痙攣、心筋虚血、不整脈、突然死などの原因に繋がります。換気の悪い狭い部屋でタバコの煙を吸い込むと、高齢者や高血圧の患者、身体の弱い中高年にとっては非常に危険であると専門家は指摘しています。
お酒の後のコーヒー
飲酒した後にコーヒーを飲んでお酒をさます人がいますが、これは逆に体の負担を増加させます。お酒の後にコーヒーを飲むと、大脳は抑制された状態から興奮した状態に転じるので、血管が拡張し、心臓と血管に負担をかけます。体に対する悪影響は、お酒だけを飲んだ場合より数倍高くなります。38度以上の焼酎を50ミリリットル以上飲んだ時は、コーヒーなどカフェインの強い飲み物は避けたほうがいいでしょう。少量のお酒を飲んだ人でも、コーヒーは1杯(200ml)にとどめましょう。焼酎を飲んでから30~60分、ワインを飲んでから1~3時間以内は、コーヒーを飲まない方がよいでしょう。
朝の急激な起床
午前6時から11時までは心脳血管疾患の患者にとって「悪魔の時間」だと言われています。心脳血管の壁は明け方に最も弱く、7割から8割の疾患はこの時間帯に発生します。夜間の睡眠時、臓器は半休眠の状態になっていますが、朝目覚めた時から心拍数が次第に増加し、血圧も徐々に上がってきます。朝目覚めてすぐに起床すると、めまいや吐き気、脱力感など脳貧血の症状が一時的に現れることがあります。特に高血圧や狭心症、動脈硬化、血管狭窄の患者にとっては、突然の起床は避けたほうがいいでしょう。朝に目が覚めたらすぐに起床しないで、寝たまま体を3分ほど動かしてから起き上がりましょう。
霧の中での長時間の運動
霧の中には大量の粉塵、細菌などの有害物質が含まれています。このような天気の日に長時間室外で運動すれば、多くの有害物質を体内に吸い込んでしまいます。肺のガス交換に影響し、血中の酸素不足を起こし、心臓病を誘発する可能性があります。特に高齢者は、霧の日には室内で運動した方がいいでしょう。出掛ける時はマスクを着用して、できるだけ室外にいる時間を短くした方がいいでしょう。
怒りと暴飲暴食
怒ることは心臓に対して非常に悪いことが分かっています。怒ると、体内に大量の血管収縮物質が分泌され、血圧が上昇し、高コレステロール血症と高血糖を誘発させます。この状態で暴飲暴食すれば、心臓に大きな負担がかかることになります。米国心臓学会は、暴飲暴食後、1時間以内に心臓病発作を起こす可能性は10倍増大すると指摘しています。高コレステロール血症、高血圧あるいは糖尿病を患っている人は、更に危険なので注意しましょう。
運動後の冷水浴
運動直後、体の毛細血管は拡張状態にあります。この時に突然冷たい水の刺激を受けると、全身の血管は急速に縮み、血圧が上昇することによって、心臓と肺の負担が増加します。その結果、動悸、息切れ、めまいなどの症状を引き起こす可能性があります。心臓が弱い方や高齢者には心臓病を誘発する可能性があるので、運動した直後の冷水浴は避けましょう。
排便と排便後の急な起立
息を止めて力を入れて排便した時、腹壁の筋肉と横隔膜が強く収縮することによって、血圧が上昇して脳溢血を引き起こします。心筋の酸素消費量が増加して狭心症や心筋梗塞を誘発し、突然死をもたらすことがあるのです。また、高齢者は血管調節機能が弱くなっているので、排便後に突然立ち上がると、体位性低血圧を起こし、一時的な脳貧血でめまいやふらつきのため、転倒してしまう危険もあります。
渋滞時に車窓を開ける
渋滞の時に車の窓を開けると、心臓病のリスクが高まります。ドイツの研究によれば、1時間以上の交通渋滞に巻き込まれた時、心臓病のリスクは3.2倍増加します。車を運転する時、緊張によって心拍が速くなり、心筋疲労により狭心症を誘発しやすいのです。更にこの時車窓を開ければ、汚れた空気を多量に吸入してしまい、心臓に有害なだけでなく、呼吸器にも悪影響を与えます。したがって交通渋滞に巻き込まれたら、車窓を開けず、車内の空気循環を使うのがベストです。
(翻訳編集・東方)
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