豪は脱「中国依存」模索 関係悪化で=貿易相

[キャンベラ 17日 ロイター] – オーストラリアのバーミンガム貿易・観光・投資相は17日、輸出先の多様化を積極的に模索していると述べた。関係が悪化する中、中国が取った措置は豪の農家や中国の消費者、製造業者に打撃を与えると指摘した。キャンベラの記者クラブで述べた。

中国は豪にとって最大の貿易相手。しかし両国の関係は、豪政府が新型コロナウイルスの発生源に関する独立調査を呼び掛けたことなどを受けて悪化。中国は豪州産牛肉の輸入を制限したり、豪州産大麦に追加関税を課した。新型コロナ感染を巡る人種差別と暴力を理由に豪州への渡航自粛を勧告し、豪州への留学を検討している学生に慎重な検討を促している。

バーミンガム氏は、一連の措置について、中国側といまだに話し合いができていないことは遺憾とコメント。中国との貿易関係は、現実主義に基づき長い年月をかけて培ったものだが、「われわれの国益を売り渡す」ようなことはしないと述べた。

同氏は、豪州産大麦への追加関税は豪生産家に3億3000万豪ドルの損害をもたらすとともに、中国のビールメーカーも原料が調達できず36億豪ドル相当の打撃を受けると指摘。

両国はともに世界のダイナミックな地域に存在しており、豪政府は前向きな関係を望んでいると述べた。

 

バーミンガム氏は、英、欧州連合(EU)と年内に自由貿易協定(FTA)を締結したいと述べ、EUはすでに豪にとって3位の貿易相手だと指摘した。

国内雇用の2割は貿易に依存しており、政府は選択肢を広げようとしていると説明した。政府はクリーンエネルギー分野でので欧州との提携に新たな可能性を見出しているようで、水素の輸出では日本や韓国と合意している。

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