【紀元曙光】2020年6月23日

(前稿に続く)先述した2017年11月のトランプ大統領訪中時に、習近平主席は、懇談のなかで「龍的伝人」と自称した。

▼「龍的伝人」とは、龍の子孫。つまり自身が「伝統中国の継承者である」という意味を含めたらしいが、それはナンセンス。この言葉は、中華圏の人ならば誰でも知っている歌の題名で、1978年に台湾の作曲家・侯徳健がつくったものだ。

▼そこには、米国が1978年に台湾(中華民国)と断交し、1979年1月1日より中華人民共和国と外交関係を結んだ背景がある。台湾人の深い悲しみがある一方で、「我ら台湾人こそ正統な中国文化の継承者だ」という誇りが、この歌の魂となっている。

▼習近平氏は、たぶん背景を知らずに、それを口にしたのだろう。いずれにせよ、彼は墓穴を掘った。89年の六四天安門事件の際、当時32歳だった侯徳健は、天安門広場で他の3人とともに決死の絶食抗議をして「四君子」と呼ばれている。

▼遠くない将来に来ている「中共なき中国」。しかし、すぐに正常な社会には、ならない。中国共産党が人民に注入した猛毒が、枯葉剤のごとく人間の道徳を枯らし、人の心を変質させすぎたためだ。中国大陸に、日本のような精神の「ぬか床」があるとすれば、中国のそれは完全に腐っている。全部捨てるしかない。

▼香港の若者が勇敢に戦っている。台湾の政府と国民が、毅然とした態度で中共に対峙している。時至れば、そうした良心の華人が、大陸の人々を再生させるのだ。味の良い「ぬか床」の種を、海外から持ってきて中国甕に入れる。時間は多少かかるが、希望はある。(4回了)

▶ 続きを読む
関連記事
同じうつ病と診断されても、抗うつ薬が効く人と効かない人がいるのはなぜでしょうか。その違いには、一人ひとり異なる体内の生化学的な状態が関係している可能性も。研究者が注目する5つのパターンと個別化治療の可能性に迫ります。
軽い朝食は健康的に見えても、タンパク質や良質な脂質、食物繊維が不足すると、血糖値の乱れや筋肉減少、栄養不足につながる可能性があります。
コンビニやスーパーで手軽に買える食品の中には、食べ続け方に注意したいものがあります。心臓外科医が指摘する、日々の食習慣で見落としやすいポイントを紹介します。
学校教育で電子機器の利用が広がる一方、子どもたちは自然や生活の中で学ぶ機会を失いつつあります。手で触れ、観察し、体験する学びの大切さを考えます。
食事を我慢し、運動を頑張っているのに、なぜかやせない――その原因は「頑張りすぎ」にあるかもしれません。ストレスを減らし、代謝を整えながら自然にやせるための、今日から無理なく続けられる10のコツを紹介します。