西側諸国、中国との「軽い冷戦」に直面=ブレア元英首相

[ロンドン 24日 ロイター] – 英国のトニー・ブレア元首相が運営するトニー・ブレア・グローバル・チェンジ研究所は24日、中国が近年、国際的な影響力を強めており、西側諸国は「軽い冷戦」か、少なくとも大国間の競争に直面するとの報告書をまとめた。

同研究所によると、世論調査では米国人、英国人、フランス人の半数以上が、中国が世界にとって悪い影響力を保持していると回答した。

過去40年の中国の経済力・軍事力の向上は、冷戦終結とソ連崩壊に並ぶ、近年の最も重要な地政学上の出来事の1つと考えられている。

ブレア氏は報告書で「われわれが今直面しているのは、台頭している中国ではなく、台頭した中国だ。この台頭は不可避であり、当然のことでもある」とし「中国と西側諸国の経済面の深い関わりを考えると、冷戦との類推は誤解を招きかねず、危険だ」と述べた。

ブレア氏は25日に行われる仮想イベント「ロイター・ニュースメーカー」で講演する。 

中国の経済規模は1979年の時点ではイタリアより小さかったが、対外開放と市場改革を背景に、世界2位の経済大国に浮上。現在では、人工知能(AI)、再生医療、導電性ポリマーといった21世紀の技術分野で世界をリードする存在となっている。

ブレア氏によると、中国指導部は対外的には以前と比べてはるかに好戦的な姿勢を示すようになっており、国内では共産党に権力を集中させている。

報告書によると、米国は南シナ海などで中国に対抗し、中国の台頭を阻止する可能性が高い。世界やアジアで地政学的な争いが起きる可能性もあるという。

ただ、協力体制の構築、本格的な冷戦、軍事衝突の可能性は相対的に低いとしている。

ブレア氏は西側諸国が「台頭した中国」に対処するには、協力と競争を目指し、必要な場合は中国と対峙する必要があると主張。

「中国と協力する場合は、強い立場で協力できるよう、米国、欧州、アジアの同盟国が団結する必要がある」としている。

ブレア氏は「中国の行動が国際社会の妥当な利益・価値観に反する一部の分野では、中国に対峙していく準備を進めなければならないという現実の中で、われわれは生きていくことになる」と述べた。

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