ガソリン価格はイラン戦争終結後「岩石のように」転げ落ちる トランプ氏発言

2026/05/01 更新: 2026/05/01

トランプ米大統領は4月30日、世界的な石油供給の混乱が続く中で米国のガソリン価格は4年ぶりの高値に直面しているものの、イランとの戦争が終結すればガソリン価格は急落するとの見通しを示した。

大統領執務室での記者会見で、トランプ氏は燃料費の高騰を現在進行中の紛争や主要な航路の閉鎖と直接結びつけた。その一方で、戦後の環境で原油の自由な輸送が再開されれば、豊富な世界供給によって価格は速やかに押し下げられるとの確信を表明した。

「ガソリン価格は下がる。戦争が終われば、岩石が転がり落ちるように(急激に)下落するだろう」とトランプ氏は述べた。「石油は非常に豊富で、至る所にある。世界の海の上に大量に存在しているのだ」

トランプ氏は以前、紛争が続く間、アメリカ国民は「しばらくの間」ガソリン価格の高騰に対処する必要があるかもしれないと述べていたが、この木曜日には、敵対行為が収まれば価格は「急速に下落する」と主張した。

また、もしイランが核兵器を保有し使用することになれば、経済的影響ははるかに大きくなると指摘し、記者団に対し、そのようなシナリオ下では「全世界が(今とは)異なる場所になってしまう」と語った。

トランプ政権の主な要求は、イランが核開発の野心を放棄し、高濃縮ウランの蓄積を断念することであるが、テヘランの政権はこれまでのところ拒否している。

イランの指導者モジタバ・ハメネイ氏は4月30日、自国の核およびミサイル計画を国家資産と呼び、それらを防衛することを誓った。

原油100ドル超えが続く中、燃料価格の上昇が加速

原油価格の高騰とイラン戦争に関連した供給混乱により、燃料価格の上昇が続いている。

アメリカ自動車協会(AAA)が4月30日に発表したデータによると、レギュラーガソリンの全米平均価格は1ガロンあたり4.30ドルに達した。これは1週間で27セントの上昇であり、1年前と比較すると1ドル以上高い。AAAは、ホルムズ海峡の完全再開の目処が立たず、原油が1バレル100ドル以上で取引されていることから、価格は2022年7月以来の最高水準にあるとしている。

2026年4月8日、カリフォルニア州エルセグンドにあるシェブロンのガソリンスタンドで、アメリカ国旗が掲げられ、ガソリン価格が高騰している様子が映し出されている(Mario Tama/Getty Images)

ガソリン価格比較サイトのガスバディ(GasBuddy)による独自の追跡調査では、価格はさらに速いペースで上昇している可能性が示唆されている。アナリストのパトリック・デ・ハーン氏は4月30日のXへの投稿で、リアルタイムのデータでは全米平均が1ガロンあたり4.40ドルに達し、1週間で35セント上昇したと述べた。

「当面は上昇し続けるだろう」とデ・ハーン氏は今週初めの投稿で述べ、最近の急騰を「ここ数年で最も速い上昇ペース」と表現した。

紛争解決に向けた外交努力が目に見える進展を見せない中、石油市場は引き続き圧力を受けている。

5月1日の取引では、北海ブレント原油が1バレル約111ドル、米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が105ドルを超えて推移した。両指標とも、一時的に数年ぶりの高値を記録した後、週間ベースで大幅な上昇となる勢いだ。

この上昇は、2月下旬の米国とイスラエルによるイランへの攻撃を受けたものである。これに対しテヘラン側は、船舶への攻撃や、世界の石油および液化天然ガス(LNG)流通の約5分の1を担う要衝であるホルムズ海峡での通行規制といった報復措置に出た。

戦争がもたらすエネルギーショックとインフレ圧力

ここ2ヶ月ほどの燃料価格の急騰は、地政学的ショックがいかに迅速に消費者コストや広範なインフレに波及するかを示している。

AAAのデータによると、2月下旬の情勢悪化のわずか数日前まで、米国のガソリン平均価格は1ガロンあたり約2.98ドルであった。軽油(ディーゼル)価格も上昇しており、全米平均で5.40ドルを超えている。

エネルギーコストの上昇はインフレにも波及している。連邦準備制度(FRB)が重視する指標である個人消費支出(PCE)価格指数は、3月に前年同月比で3.5%上昇し、エコノミストはエネルギーをその主な要因として挙げている。

2026年4月23日、米軍はインド洋で制裁対象となっているイラン関連タンカーに乗り込んだ(DOW)

国際機関は、戦争の影響が解消されるまでには時間がかかる可能性があると警告している。

国際通貨基金(IMF)は最近の報告書で、主要な航路の混乱は敵対行為が終わった後も続く可能性があると指摘した。また、世界銀行は紛争に関連してエネルギーおよび商品価格が広範囲にわたって上昇すると予測している。

「中東での戦争は海上および航空交通を深刻に混乱させ、インフラを破壊し、世界のエネルギーと物資にとって極めて重要な輸送回廊を遮断した」とIMFは述べた。「最良のケースであっても、以前の状態にすっきりと元通りになることはないだろう」

トランプ政権は、イランの核の脅威を無効化し、かつホルムズ海峡を完全に再開させるという合意をテヘランに迫るため、イランの石油輸出に対する海上封鎖を維持している。この再開条件は、世界のエネルギー市場を安定させるために不可欠であると広く見なされている。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。
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