【紀元曙光】2020年6月28日

(前稿より続く)中国人にしてみれば、自国の誇りでもある「唐」の概念を、イカの干物のように押し広げてしまう日本語の感覚は、嬉しくはないだろう。

▼さもあろうが、日本人は昔からこうやって大陸の文化や漢字を取り入れてきた。否定ではなく、大らかな受容という流れのなかで、中国文化を日本人好みに調整してきたのだから、ある程度それは許容してもらいたい。「唐辛子」も「南京豆」も、親しみや慣習のなかで日本人がつかってきた。

▼一つ、中国人のために、筆者の友情として申し上げよう。「かつて中国は、文化や漢字を日本に教えてやった」と、現代の中国人が尊大にふるまうのは、自身が恥をかくので、なさらないほうが良い。その文化も漢字も初めから中国にあったのではなく、天上の神から授けられたものである。つまり、中国人も謙虚に受容すべき立場であるはずなのだ。

伝統文化が神からの授かりものであるならば、中国人もそれを貴び、大切にしなければならない。中国の先人たちは皆そうしてきた。ところが現代の中国人(中共という意味だが)は、それらをことごとく否定し破壊した。神が与えた漢字は、無残にも記号化されてしまった。

▼その過ちの責任は政治に問うべきだが、中国人も、いいかげんに覚醒すべきではないか。中共統治の71年は、人民を騙すものだったと。

▼古来より、無学文盲で生きてきた中国の農民に文字を教えるために、簡体字が必要とされたのだ、と反論するか。その部分だけ取れば美談にもなろうが、文盲の老人や農民に文字を教えて、読ませたのが赤い表紙の『毛沢東語録』だった。(次稿へ続く)

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