香港にある「台北経済文化弁事処」の高銘村・代理処長(陳柏州/大紀元)

台湾、香港窓口機関の高官にビザ更新を認めず、「一つの中国」に対抗

台湾の在香港出先機関の高官が7月16日、台湾を中国の領土の一部とする「一つの中国」原則に関する同意書のサインに応じなかったことで、香港政府から滞在ビザの更新を認められず、台湾に戻った。台湾政府はこのほど、対抗措置として、香港政府の在台湾窓口機関の高官2人に対して、滞在ビザの更新を拒否したことが明らかになった。

台湾メディアやロイター通信によれば、香港政府から滞在ビザの更新を認められなかったのは、香港にある「台北経済文化弁事処」の高銘村・代理処長らだ。香港政府は、高氏らに対して、「一つの中国」原則について、中国当局の立場を支持する書類に署名を求めたが、拒まれた。同弁事処には、サービス組、経済組、新聞文化組、連絡組と総合組の5部署があり、15人の台湾人スタッフがいる。香港政府による事実上の追放措置で、現在5部門の責任者のうち、経済組の責任者である倪伯嘉氏のみが香港に残っている。同弁事処の盧長水・処長は2年前から、香港への入国ビザを付与されていない。

一方、台湾政府は21日、台湾にある香港経済貿易および文化弁公室(HKETCO)の高官2人に対して、台湾政府がビザの更新を許可しなかったことを明らかにした。2人は香港に戻ったという。

台湾の中国本土政策を担う大陸委員会の担当者は20日、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対して、香港政府の台湾に対する「不合理な措置」について、台湾政府は「国家の尊厳を守らなければならない」と答えた。大陸委員会によると、「一つの中国」原則をめぐって、台湾政府は「台湾・香港経済文化合作策進会」などを通じて、立場を香港政府に伝えてきたが、香港政府から「正式な返事はなかった」。

中国当局は、台湾に対して「一つの中国」原則を受け入れるよう圧力をかけている。台湾の蔡英文総統は今年5月に行われた2期目の就任式で、同原則に基づく「一国二制度」を受け入れないと明言した。

(翻訳編集・張哲)

 

関連記事
米銀行大手のJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループの各最高経営責任者(CEO)は21日 […]
バイデン米大統領は18日、米CBSテレビのインタビューで、中国が台湾に侵攻すれば米軍が防衛すると明言した。台湾 […]
米上院外交委員会は14日、台湾への関与を強化する「台湾政策法案」(Taiwan Policy Act)を賛成1 […]
台湾の半導体大手、聯華電子(UMC)創業者の曹興誠(ロバート・ツァオ)氏(75)は1日、台湾軍と連携して活動で […]
台湾の民間シンクタンク、台湾民意基金会は16日、ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問や中国軍の軍事演習などに関 […]