南ア中銀が3.5%に利下げ、追加緩和でコロナ禍に対応

[ヨハネスブルク 23日 ロイター] – 南アフリカ準備銀行(中央銀行)は23日、主要政策金利であるレポレートを25ベーシスポイント(bp)引き下げ、3.50%とした。利下げは今年に入り5回目。新型コロナウイルス感染拡大で経済活動が阻害され、物価上昇が抑制される中、引き続き追加緩和で対応する。

中銀は年初から政策金利すでに275bp引き下げている。今回の決定会合では5人の政策委員のうち3人が25bpの利下げ、2人が金利据え置きを主張した。

ロイター調査ではエコノミスト28人のうち15人が利下げを予想。このうち13人は25bp、残る2人が50bpの引き下げを予想していた。

中銀は声明で、「財政リスクの高まりのほか、モノとサービスの供給の著しい減少」でインフレに対する上向きリスクが台頭する可能性があるとし、将来的な金利決定は指標次第との見解を示した。

ハニャホ中銀総裁は、新型ウイルス感染拡大抑制措置の緩和により「経済成長が支援され、消費支出が著しく低い水準から押し上げられた」と指摘。ただ「金融政策委員会は、経済が縮小し、回復が緩慢となる中、インフレ率は今年の目標レンジの中央値を大きく下回り続けると認識している」とし、「中期的にもインフレは抑制され、2021年と22年は(目標の)中央値近辺にとどまると予想されている」と述べた。

中銀はインフレ目標を3─6%に設定。南ア統計局が先週発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.1%上昇と、約15年ぶりの低い伸びとなった。

中銀はインフレ率が20年に平均3.4%、21年は平均4.3%になると予想。20年の経済成長見通しはマイナス7.3%とし、従来のマイナス7.0%から下方修正した。21年は3.7%のプラス成長を回復するとの見方を示した。

スタンダード・チャータードのチーフ・アフリカ・エコノミスト、ラジア・カーン氏は、中銀の今回の声明はタカ派的だったと指摘。ただ緩和サイクルが終了に近づいたかは分からないとし、「新型ウイルス感染抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)が行われたことで、大規模な金融緩和の効果を推し量るのが困難になっている。このため、インフレが抑制され、経済成長が低迷する限り、追加緩和が実施される公算はあるとみている」と述べた。

南アはアフリカ大陸で新型ウイルス感染拡大が最も深刻になっており、これまでの累計感染者数は40万人弱。このところは1日当たりの新規感染者数が1万人を超えている。

*内容を追加しました。

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