ローリーさんとインディアナちゃん 米テネシー州ナッシュビルにあるカントリー・ミュージック殿堂博物館にて 2017年3月11日 (Terry Wyatt / Getty Images)

「私の娘はみんな、神からの完璧な贈り物」ダウン症の娘を持つ父親、感動的なブログを書き綴る

妻に先立たれ、ダウン症を患う6歳の女の子のシングルファーザーとなったアメリカのカントリー歌手、ローリー・フィークさん(55)。ローリーさんが書き綴る力強く感動的なブログが話題となり、多くの人の心を捉えています。

ローリーさんと妻で歌手のジョーイさんは当時結婚生活14年を迎え、「ジョーイ&ローリー」というカントリーミュージック・デュオを組んで活躍していました。

2人は現在6歳になる女の子、インディアナちゃんを授かりました。「インディ」という愛称で呼ばれるこの女の子は、先天的遺伝子疾患であるダウン症候群(ダウン症)をもって生まれてきました。

そしてインディアナちゃん誕生からわずか2年後の2016年3月4日、ジョーイさんが子宮頸癌のためこの世を去りました。まだ40歳という若さでした。

米ケーブルTV局「Lifetime」が手掛けた映画『Patsy & Loretta(原題)』の特別試写会・レセプションに出席したローリーさんとインディアナちゃん 

テネシー州フランクリンにあるフランクリン・シアターにて 2019年10月9日(Jason Kempin / Getty Images)

ジョーイさんが亡くなった2016年の夏、ローリーさんはテネシー州にある100エーカー(約40ヘクタール)の牧場で、まだ幼いインディアナちゃんの世話をしながら、自身が撮影したドキュメンタリー映画『To Joey, With Love(原題)』の編集作業に明け暮れました。これは、ジョーイさんとの最後の2年間を記録したドキュメンタリー映画です。

そしてローリーさんは自身のブログサイト「This Life I Live(私が生きるこの人生)」に「Crib Notes(ベビーベッドが教えてくれること)」というタイトルのブログを投稿しました。

このブログはこのように始まっています。

「私がこのブログを書く間、インディアナはまだベビーベッドの中にいる。そろそろ目を覚まして、彼女の1日を始めようとしているところだ」

「ベッドから起きてあたりを見回して、また寝っ転がる。独り言を言って、自分の手にも話しかける。そんな彼女を見たり声を聞いたりしていると、は本当に素晴らしい贈り物を授けてくれたと思わずにはいられないんだ」

2009年のCMTミュージック・アワードで歌を披露するジョーイさん&ローリーさん テネシー州ナッシュビルのソメイ・センター(現ブリヂストン・アリーナ)にて 2009年6月16日 (Jason Merritt / Getty Images)

そしてローリーさんは、インディアナちゃんがダウン症であることによってどんなことが起こりうるのか、当初はよく分かっていなかったと続けています。周囲から好意的とは言えない反応を得るまでは。

「お辛いでしょうね」という反応が大多数だったという。

「この反応を拒絶したわけでも拒絶しているわけでもない。もし同じ立場だったら、同じことを言っただろう」

「それが社会的通念だし、みんなそう教えられてきた。でも、それは間違ってる。少なくとも私はそう思うし、きっとジョーイも同じだ」

2010年のCMTミュージック・アワードにて テネシー州ナッシュビルにあるブリヂストン・アリーナにて 2010年6月9日 (Jason Merritt / Getty Images)

「インディアナは他の子供より劣っているわけじゃないし、違っていることは劣っていることではないんだ。ダウン症だからと言って、彼女の人生が他の人の人生より無意味だってわけでもないし、彼女の夢や感情が重要じゃないってわけでもないんだ」

しかし、ダウン症に対するレッテルは根深いものがあります。ローリーさんたちが見つけたある統計結果がそれを物語っていました。お腹の子供がダウン症だと診断された妊婦の70〜90%が、中絶を選択していたのです。

それでもローリーさんは、妻の人生最後の2年間に愛するが存在しないなんて想像すらできないと続けます。インディアナちゃんはジョーイさんに「愛情と幸せ」をもたらしたかけがえのない存在だったのです。

「神はわかってたんだ。だから、インディアナを授けてくれたんだ」

 

ローリーさんとインディアナちゃん 米テネシー州ナッシュビルにあるカントリー・ミュージック殿堂博物館にて 2017年3月11日 (Terry Wyatt / Getty Images)

ローリーさんには3人の娘がいます。すでに成人しているハイディさんとホーピーさん、そして6歳のインディアナちゃんです。ローリーさんは愛に包まれ、時にはケンカし、笑いに満ちた人生をブログに綴り続けています。

ローリーさんのブログの自己紹介欄には、このように記されています。

「インディはダウン症候群。それに、ホーピーはアップ症候群(いつもハッピーだから)だし、ハイディは花と音楽症候群(花を栽培するシンガーソングライターだからね)だ」

「私の娘はみんな、神からの完璧な贈り物なんだ」

関連記事
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。
神韻芸術団2025年日本公演間近、全国42公演予定。伝統文化復興を目指す公演に観客の支持と絶賛の声が相次ぎ、チケットも記録的な売上を上げている。