モーリシャス沖で座礁の貨物船、1800トンの油なお残る

[東京 11日 ロイター] – 商船三井は11日、インド洋モーリシャス沖で座礁した貨物船「わかしお」について、現在も1600トンの重油と200トンの軽油が船に残っていると発表した。船体の亀裂は拡大しているという。

わかしおは岡山県の長鋪(ながしき)汽船の関連会社が保有・管理し、商船三井が運航する大型ばら積み船。7月25日に座礁し、その後燃料が流出。モーリシャスのジャグナット首相が環境緊急事態宣言を出すなど、周辺の生態系に深刻な影響を及ぼす恐れが懸念されている。

商船三井は重油1000トンが燃料タンクから流出したと推定。残る重油のうち、1020トンは小型タンカーへ抜き取ったとしている。また、流出した重油のうち、約460トンは手作業で回収した。

船体の亀裂が拡大していることから、漂流しないようタグボートと係船しているという。

モーリシャスのジャグナット首相は10日、重油の流出は停止したものの、依然として「最悪のシナリオ」に備える必要があるとの考えを示した。

同首相は、「船体に複数の亀裂が確認されており、非常に深刻な事態に直面している。最悪のシナリオに備えるべきで、船体がいずれ崩壊することは明白だ」と語った。

船舶の安全性や環境汚染防止策などを検査をする日本海事協会は11日、わかしおが今年3月2日に終了した年次検査を問題なく通過したことを明らかにした。

商船三井は同日、現地に人員を派遣した。情報収集や、流出した油の回収などに当たる。今期業績に与える影響については、適時開示が必要になる額とは想定していないという。

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