ファウチ氏、コロナワクチン緊急使用許可に警鐘 「他の治験に影響」

[シカゴ/ニューヨーク 24日 ロイター] – 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、ロイターの電話インタビューに応じ、新型コロナウイルスワクチンについて、大規模治験で安全性と有効性が証明される前に緊急使用ガイドラインに基づいて配布するのは間違った考えで、他のワクチンの治験に悪影響をもたらす恐れがあると警告した。

科学者や公衆衛生の専門家は、トランプ政権が11月の大統領選でのトランプ氏再選に向けて、安全性と有効性が証明される前の新型コロナワクチンに緊急使用許可を与えるよう米食品医薬品局(FDA)に圧力を掛ける可能性を懸念している。

広範に使用されるワクチンに緊急使用許可が与えられたことはいままでない。

ファウチ氏はインタビューで、大統領についてのコメントは差し控えた上で、緊急の必要性がある中でも、ワクチン配布を急ぐリスクは存在すると指摘。「有効性を確認する前のワクチンが緊急使用許可を得ることは望ましくないだろう」と述べた。

また、尚早なワクチン配布には、他のワクチンの治験での被験者の確保を難しくさせるリスクがあると指摘した。

モデルナ<MRNA.O>やファイザー<PFE.N>、アストラゼネカ<JNJ.N>が最近開始した新型コロナワクチンの大規模治験では、それぞれ数万人の被験者の登録を目指している。

既出FDAは23日、新型コロナ感染症から回復した人の血漿(けっしょう)を使った治療法の緊急使用を許可した。前日にはトランプ大統領がツイッターで、FDAのハーン長官をやり玉に挙げ、FDA内の「闇の国家」がコロナワクチンや治療法の治験を妨害していると非難していた。

ハーン長官は、血漿療法の緊急使用許可についてトランプ氏は一切関与していないと強調したものの、大統領がFDAの承認手続きを政治利用しているとの懸念が浮上している。

血漿療法の無作為化されたプラセボ対照試験で有効性はまだ確認されていない。

ファウチ氏は、ワクチンに関するFDAのガイドラインは、緊急使用許可の場合であっても、安全性と有効性の証明を明確に義務付けていると指摘。「私にとっては、ワクチンの安全性と有効性の双方を確認することが最も重要だ。この双方の完全なる証明を妨げるものがないよう望む」と語った。

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