インドネシアが米中けん制、外相「対立に巻き込むな」

[ジャカルタ 8日 ロイター] – インドネシアのルトノ外相は8日、米国と中国に対して「われわれは米中の競い合いに巻き込まれたくない」と述べ、東南アジアへの影響力を巡る両国の競争を巡ってけん制した。ロイターのインタビューに応じた。

今週は域内外相との主要な会談を控え、米中の外相との会談も予定されている。

南シナ海で今年に入って軍事活動が盛んになっているほか、米中は非難の応酬を繰り広げており、東南アジア諸国では域内で軍事衝突が起きる危険性が増しているとの不安が高まっている。

米国のポンペオ国務長官と中国の王毅国務委員兼外相はそれぞれ、東南アジア諸国連合(ASEAN)の同調を求めるため域内の外交を強化している。

ルトノ外相はASEANが断固として中立的立場を維持しなくてはならないと強調した。

南シナ海を巡っては、中国がほぼ全域を自国の領海と主張しているほか、ベトナムとマレーシア、フィリピン、ブルネイが一部海域の領有権を主張している。

米国は今年、中国が海域を主張する領域で「航行の自由」作戦を展開。2014年以来初めて域内に空母2隻を送り込んだほか、潜水艦や偵察機を編成した。

中国もまた、中距離弾道ミサイル4発を南シナ海に発射するなど、軍事演習を強化している。

ルトノ氏は南シナ海で軍事活動が活発になっていることや米中の対立について「憂慮している」と懸念。ASEANが先月に出した共同声明では、加盟国が団結していることや米中どちら側にもつかず平和を追求する姿勢を示すと表明した。

ルトノ氏はまた、ミャンマー政府の迫害を受けイスラム系少数民族ロヒンギャ難民がインドネシアに逃れてきた問題について、ミャンマー外相と話し合うと説明。「難民が安全に、自主的に帰還できるようミャンマー政府と対話を続けることが非常に重要だ」と話した。

関連記事
全米の大学キャンパスなどで頻発している活発なパレスチナ支援デモに、中国共産党と関連のある団体が資金提供していることが明らかになった。「2024年米大統領選に向けて不安をあおり、若者を過激化させ、米国を不安定化させることが目的」と分析している。
国際人権NGO アムネスティ・インターナショナルが最近発表した報告によると、中国や香港出身の留学生が海外で人権活動に関わった場合、その家族が中共による脅迫や報復を受ける事例があることが指摘された。このような中共の国際的な弾圧の実態が、再び世界の関心を集めている。
WHOは、5月27日に開催される世界保健総会に先立ち、パンデミック条約の一部条項を緩和したが、アメリカの批評家たちは、これらの変更が政策に対する懸念を十分に解決していないと指摘している。
2020年以降、香港の自治が中国共産党によってさらに侵食されつつあるため、ワシントンは香港に対する政策を見直すよう求められている。米国のシンクタンクである「戦略国際問題研究所(CSIS)」は5月7日、「2020年以降の香港の自治権の侵食」というタイトルの報告書を公開した。同報告書は北京による香港支配の拡大を明確に描き、米国政府に対香港政策の見直しを促す40ページに及ぶ調査結果を発表した。
5月14日、メリーランド州、ネブラスカ州、西バージニア州で民主党と共和党の初選が行われた。前大統領ドナルド・トランプ氏と現職大統領ジョー・バイデン氏は選挙戦でいくつかの警告信号に直面したが、全体的な状況は安定していた。5月14日予備選挙のハイライト