ギリシャ難民キャンプ全焼で数千人が行き場失う、コロナ感染リスクも

[レスボス(ギリシャ) 9日 ロイター] – ギリシャのレスボス島にある難民キャンプが8日夜から9日にかけて起きた複数の火災で全焼し、数千人の難民が行き場を失った。当局者は、新型コロナウイルス検査で陽性と判明した一部の難民から感染が広がるリスクを警告した。

火災が起きたのは1万2000人以上を収容しているモーリア難民キャンプで、ギリシャの移民当局者は「おそらく全焼した」と述べた。当局は放火の可能性を調べていると明らかにした。

目撃者は、難民キャンプから大きな黒い煙が上がるのを見たと話した。映像では、人々が子どもを抱えて走って逃げる様子などが確認できる。

ギリシャ政府は同島に非常事態宣言を出し、警察の増援部隊を派遣。ミタラチ移民相は、影響を受けた約2000人をフェリー1隻と海軍の船舶2隻に一時的に乗せる方針を示した。キャンプの他の収容者の居場所は現時点で明らかでない。

ミツォタキス首相はテレビ会見で「モーリアの状況は公衆衛生と同時に安全保障の問題であり、このままにすることはできない」と述べ、移民・難民の管理は「欧州としての問題だ」と強調した。

モーリアキャンプでは先週、難民1人が新型コロナ検査で陽性と判明したことを受けて隔離措置が敷かれ、7日までに35人の感染が確認された。当局はこれに関連して8日夜の火災が放火だった可能性を調べている。

同キャンプには収容能力の4倍以上の人が滞在しており、支援団体などは以前から、対人距離の確保や基本的な衛生対策が不可能だと指摘していた。

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