国連創設75周年、事務総長「課題多く解決策足りない」

[国連 21日 ロイター] – 国連総会は21日、国連創設75年を記念する高官級会合をオンラインで開いた。グテレス事務総長は、新型コロナウイルスの世界的大流行によって世界の脆弱性が露呈したと指摘し、「多国間の課題は過剰に存在するが、多国間の解決策は不足している」と強調した。

会合はコロナ感染拡大と米中間の緊張感の高まりを受け、193カ国が加盟する国連の存在意義と結束が問われる中で開催された。

中国の習近平国家主席は声明で「世界の情勢を独占し、他国の運命を決め、発展の成果を独り占めする権利はどの国にもない。ましてや、一国が好きなように振る舞い、世界の覇権者かいじめっ子またはボスになるのを認めてはならない。一国主義は行き詰まる」と主張。名指しはしなかったが米国を批判した。

この発言は国連総会向けに録画した演説には入っておらず、中国の国連代表部によると、国連に提出された声明に盛り込まれた。

シャレ米国連次席大使代理は、国連は多くの点で「試みとして成功した」ことが証明されたが、「懸念すべき理由もある」と指摘。

「国連はこれまで、意義ある改革にあまりにも長い間抵抗し、あまりにも頻繁に透明性に欠き、独裁政権の意向にあまりにも影響を受けやすかった」と批判した。

ロシアのラブロフ外相は、一部の国が他国の内政に干渉し、一方的な制裁を発動していることが国際社会の「確執の強まり」を引き起こしたと述べ、暗に米政府を批判。「世界は一段の多国間支援および協力を必要としている」と訴えた。

ドイツのメルケル首相は加盟国それぞれの国益によって「あまりにも頻繁に」国連の理想は未達となることを余儀なくされたと語った。

22日からは首脳級が演説する国連総会の一般討論演説が始まる。ニューヨークの国連本部で参加を予定する首脳はおらず、事前録画した演説が放送される見通し。

首脳らは21日に採択した宣言で、国連創設から現在までに「失望した時が(何度も)あった」と認め、「これら全てがさらなる行動の必要性を示しており、出し惜しみすべきではない」とした。

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