米下院、民主党のコロナ経済対策法案を可決 上院通過は見通せず

[ワシントン 1日 ロイター] – 米下院は1日、民主党の2兆2000億ドルのコロナ経済対策法案を賛成214、反対207で可決した。ただ、政権側と共和党幹部が反対していることから、共和党が過半数を占める上院の通過には困難が伴うとみられている。

共和党から賛成に回った議員がゼロだったのに対し、民主党議員の18人は反対票を投じた。多くは激戦区選出の穏健派議員で、ペロシ下院議長に超党派の法案を採決にかけるよう求めていた。

反対に回った民主党のアビゲール・スパンバーガー議員は「法律として成立する見込みのない党派的な行動だ」と述べた。

ペロシ氏とムニューシン財務長官は今週、超党派での合意を目指して連日協議を重ねており、1日も50分にわたり電話で協議したが、物別れに終わった。[nL4N2GS36X]

ペロシ氏は、1日夜に政権側との交渉で解決策が見い出せるかとの記者団の質問に、そうは思わないと答え、部分的な合意に達したとしても、全体で合意できない限り、合意にはならないと述べていた。[nL4N2GS3ML]

政権側との合意がまとまらず、議員らが大統領選・議会選に向けてワシントンを離れる準備を進める中、下院は民主案の採決に踏み切った格好だ。

民主党のホイヤー下院院内総務は「率直に言って、超党派合意に達していれば、この法案の採決は必要なかった」と語った。

ムニューシン、ペロシ両氏は、州・地方政府への支援のほか、民主党提案のヘルスケアや中小企業を巡る案件などの項目について合意に至らなかった。[nL4N2GS36X]

電話協議終了後、ペロシ氏の副補佐官を務めるドリュー・ハミル氏は「両者は(法案の)規模と文言を一段と明確にするために協議を行ったが、主要部分での見解の相違は埋められなかった」とツイッターに投稿した。

トランプ政権は1兆6000億ドル規模の対策案を提案しており、ホワイトハウスのマクナニー報道官は1日、民主党案は「真剣な提案ではない」と一蹴した。

一方、ペロシ氏はブルームバーグTVで政権側の案について「彼らが提案しているのはパンの半斤にもならず、耳にすぎない」と批判した。

共和党のマイク・ブラウン上院議員はCNBCで、1兆6000億ドルを超える規模の合意には共和党上院議員の3分の1から半数が反対する可能性があると述べた。

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