世界高級品市場、今年は過去最大の落ち込みへ=コンサル会社

[ミラノ 18日 ロイター] – コンサルタント会社ベイン・アンド・カンパニーは18日、今年の世界の高級品売上高は23%減少し、2170億ユーロ(2580億ドル)になるとの予測を示した。

新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)の影響によるもので、2009年以来の減少となり、落ち込み幅は過去最大になる見込み。ベインの5月時点の予想は20─35%減だった。

感染抑制のためのロックダウン(都市封鎖)が解除・緩和され、高級バッグや衣類、宝石、時計の販売店が再開した今夏の販売回復が予想を上回ったため、当初の予想レンジのほぼ上限となった。

しかし、10月以降の欧米の感染再拡大に伴い新たな規制や店舗閉鎖が実施されたことや、米大統領選を巡る不透明感が消費者心理の重しとなっている。

唯一好調なのが中国で、春の危機脱却後は販売が急増。本土の売上高は今年、現在の為替相場で45%増の440億ユーロに達するとみられている。

ベインのパートナー、フェデリカ・レバート氏は、「欧米が感染第2波と社会的・政治的不透明感で深刻な打撃を受けている一方、中国は休むことなく日々加速している」と述べた。

第4・四半期の世界の高級品売上高は10%減となる見込みだが、ロックダウン(都市封鎖)が重要な時期であるクリスマスにどの程度打撃をもたらすかによって、減少幅が拡大する可能性があるという。

ベインは、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)<LVMH.PA>、エルメス<HRMS.PA>、プラダ<1913.HK>などの売上高は2021年に部分的に回復するものの、2019年の水準に戻るには22年末または23年までかかるとみている。

コロナ危機により、オンライン購入が全体に占める割合が19年の12%から今年は23%とほぼ倍増し、25年までには高級品購入方法の主流が電子商取引になるとしている。

このほか、海外渡航規制により母国での購入が増加。1981年以降に生まれた世代が全購入額の約60%を占めているとした。

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