写真は中国広東省東莞市の半導体製造工場の生産ライン(Photo credit should read NICOLAS ASFOURI/AFP via Getty Images)

中国、地方政府が半導体企業を接収、投資ブームに補助金詐欺多発か

中国メディアによると、2017年11月に設立された半導体メーカー、武漢弘芯半導体製造有限公司(以下、武漢弘芯)はこのほど、地元政府に接収された。創立当時、同社は総投資額1280億元(約2兆286億円)で話題になり、地元経済活性化の起爆剤と期待された。しかし、同社は今、半導体産業における中国当局の「大躍進政策」の失敗例となった。

米政府の中国企業への輸出禁輸措置を受けて、中国当局は国内供給体制を確立するため、昨年から半導体産業の振興政策を次々と打ち出した。同産業へ投資を呼びかけた上、半導体メーカーを補助金や税制優遇措置の対象にし、株式上場や資金調達を優先させた。このため、中国各地で半導体企業への投資ブームが起き、半導体メーカーではない企業まで進出した。

中国企業情報検索サイト「天眼査」などによると、武漢弘芯の90%株式を保有する北京光量藍図科技有限公司(以下、北京光量)は11月10日、武漢光量藍図科技有限公司(以下、武漢光量)に買収された。武漢市東西湖区国有資産監督管理局は、武漢光量の100%株式を保有する。武漢光量は今年9月25日に設立されたばかりだ。

武漢弘芯の10%株式を保有しているのは、東西湖区国有資産監督管理局の別の配下企業であるため、武漢弘芯は完全に東西湖区政府の管理下に置かれた。

中国メディアによれば、武漢弘芯の工場建設プロジェクトはすでに中止された。同社は、業者に3400万元(約5億3886万円)の建設費用を未だに支払っていない。同社は2018年と19年、2年連続で湖北省の重要発展プロジェクトに指定された。しかし、筆頭株主だった北京光量は、中国当局の産業補助金をだまし取るペーパーカンパニーだったと疑われた。

今年9月、中国紙・中国経営報は北京光量に関する調査報道を行った。同紙が、北京光量の法人登録住所を訪ねると、同社と関係ない別の企業があった。また、北京光量の武漢弘芯に対する実質の出資金は「ゼロ」だったという。「天眼査」によると、北京光量の設立日は2017年11月2日で、武漢弘芯の設立日とほぼ同じだ。

北京光量の創業者、曹山氏らはその後、同じ手法で山東省などで半導体企業数社を設立した。

しかし、中国当局は補助金不正受給の疑いで曹氏らを拘束しておらず、捜査についての公表もしていない。

台湾の時事評論家、謝金河氏は中国本土の半導体産業投資ブームについて投稿した。同氏によると、今年上半期、江蘇省や安徽省などの24の都市で、半導体メーカー20社が相次いで創立した。総投資額は1600億元(約2兆5358億円)という。

「これらの企業は、中央政府の補助金を目当てに、まず半導体開発用のビルをたくさん建て、設備も多く購入するのだ。しかし、中央政府から巨額の補助金を受け取った後、補助金を自分の懐に入れるだけで、会社の運営、技術開発、生産などは全く行わない」

中国政府系雑誌「瞭望」は、今年7月20日時点で、中国の半導体関連企業が4万5300社あると示した。今年4~6月期において、新たに4600社が法人登録を行った。昨年同期と比べて207%増で、前期比では130%増だという。北京半導体産業協会の朱晶・副事務局長は、新しい半導体企業のうちの8割は「半導体産業のインフラや生産経験のない」中小都市に集中していると指摘した。

過去1年間、四川省、陝西省、江蘇省など5つの省にある半導体企業6社が経営難に陥った。6社は投資額100億元(約1580億円)以上だったことで、当初メディアに大きく取り上げられた。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
子どもは家族を従わせるための「人質」にされる。中国で子を持たないのはある意味「勝ち組」。そして子が産まれなくなるのは、滅びへの原初的第一歩。生まれても不幸にしかならないのなら、誰でもそうする。
まるで凶悪犯扱いの、中国の駅での恐怖な「安全検査」 恐怖を抱くものは、正常ではないというが、まさに。
攫われた子どもたちはどこへ? 中国に存在する「乞食ビジネス」の闇 共感を感じるというミラーユーロンが変異したか消えてしまった非人間の悪行は留まる所を知らない。どうすれば、人間でいられるのだろうか? 中共という闇の根源を実歴史の教訓としなければならない。
ある日突然、銀行預金を不当に凍結される。「汚職役人、ロクな死に方しないぞ」、中国の「高級裁判所」の外壁が派手に落書きされる。
これは人肉か?どこまで続く中国の「料理から出てきた異物」の騒ぎ。唯物主義を根幹とする共産主義は、人間をモノとして捉えているので、死んだら、徹底的に再利用するということは60年前から噂されていた。ことの真偽は中国人がよくわかっているだろうが、共産主義が愚かな思想だという事は、すでに実証されているにもかかわらず、利権に絡む上層部が、執着していることが原因だ。早く、悪夢から覚めてほしいものだ。