緊急事態宣言、「段階的解除」で調整 延長なら1カ月軸=関係筋

[東京 25日 ロイター] – 政府は2月7日を期限に11都府県に発令した緊急事態宣言について、来週前半にも延長の有無を判断する。複数の政府・与党関係者によると、飲食店への営業時間短縮要請は延長する一方、それ以外の規制は徐々に緩和していくなどの「段階的解除」が議論されている。延長する期間は1カ月を軸とし、新型コロナウイルス感染の最新情報を踏まえ判断していく考えだ。

西村康稔経済再生相は25日の衆院予算委員会で、緊急事態宣言解除の要件について、感染状況が最も厳しい「ステージ4」からの脱却だと改めて表明。新型コロナウイルス感染症対策分科会が示す、コロナ患者用病床の使用率50%、1日の新規感染者10万人当たり25人、それを東京に当てはめると500人となるなど6つの指標を参照しつつ、「総合的に判断し、段階的に解除する」と説明した。

東京都などでは感染者数がやや減少傾向にあるようにはみえるが、水準は依然として宣言解除の基準を上回っている。政府内では、飲食店への時間短縮要請の延長は不可避との意見が出ている一方で、それ以外の規制については部分的な緩和も議論されている。

延長する期間は1カ月とする関係者が多い。「飲食への時短要請を中心に1カ月程度かけた段階的解除案」(ある政府関係者)や、「延長幅が長いと観光業を中心に債務超過企業が増えるリスクがあり、2週間単位で延長幅を考えたいが、小幅延長を繰り返すよりは1カ月単位が望ましい」(別の政府関係者)などの声が聞かれ、さまざまな案が検討されているとみられる。

西村再生相は25日の予算委員会で、現在出されている緊急事態宣言の期間が1カ月である根拠を問われ、宣言の成果は2週間後に現れるため「2週間プラス2週間で1カ月を単位としている」と説明した。

ただ、引き続き感染状況は予断を許さない。東京都の新規感染者数は24日に12日ぶりに1000人を下回ったが、菅義偉首相は25日の予算委員会で「(感染者数は)徐々に減少傾向にある、減少傾向と判断するにはもう少し状況をみる必要があると専門家が指摘している」と述べている。

最新の発表によると、25日の東京都の新規感染者数は先月28日以来で初めて700人を下回り618人となった。

(竹本能文)

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