英コロナ変異種がさらに変異、南ア型に類似 ワクチンに影響も

[ロンドン 2日 ロイター] – 英保健当局は2日、国内でこれまでに検出された新型コロナウイルスの変異種がさらに変異したと明らかにした。新たな変異で南アフリカとブラジルの変異種に似た性質を持つようになっており、ワクチンの有効性が低下する恐れがあるとしている。

イングランド公衆衛生庁(PHE)によると、イングランド南西部を中心に「E484K」と呼ばれる変異を持つ英変異種が検出された。

E484K変異はウイルスの表面にあるスパイクと呼ぶ突起で起こる変異の一種。ワクチンの有効性などを巡る懸念を引き起こしている南アとブラジルの変異種はE484K変異を起こしているが、従来の英変異種にこの変異はなかった。

緊急時科学助言グループのメンバーであるカルム・センプル氏はBBCラジオに対し、E484K変異は英国内で「自然に発生した」と指摘。「最も懸念される変異」として警戒感を示した。

英レスター大学のウイルス学者、ジュリアン・タン氏は、異なるタイプの変異種を制御できなければ、英国の状況は新型コロナ変異種の「るつぼ」に発展する恐れがあると警告。フランシス・クリック研究所のウイルス学者、ジョナサン・ストイエ氏は、「厳しい国境管理でウイルスの拡散を遅らせられるかもしれないが、ウイルス複製が極めて高水準にある環境下で新たな変異種の出現を防ぎきれない公算が大きい」と述べた。

これに先立ち、ハンコック保健相はブリストルとリバプールで新型コロナウイルスの「懸念される変異種」による感染が43件確認されたと明らかにし、新たな変異種が出現していることで政府は慎重な対応を迫られると述べていた。

*内容を追加しました。

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