信念のために命すら惜しまず、捕虜となるも屈しなかった南宋の宰相・文天祥(大紀元)

古代中国人の講じる「気節」とは

君子は「持節(じせつ)」、つまり気節を保つすることを大事にしていました。「気節」とは志気と節操という高尚な品格を指します。具体的に言うと、正義を貫き、威圧を前にしても決して屈しない頑強な精神を持つことです。

「気節」は、中国伝統文化の重要な一環であり、古代中国人の人格基準と道徳の準則です。歴史上数多くの聖人君子は、心の中にある道義と信念のために命すら惜しまず、決して屈しない姿勢を見せました。

孔子は、「自分の志を降ろさず、自分の身分を辱めない人と言えば、伯夷と叔斉の事でしょうか」①と、伯夷と叔斉が気節を保ってきたことに対し、高く評価をしています。伯夷と叔斉は、武力で殷王朝を滅亡させた周の武王に憤りを感じていました。自分は殷王朝の民だと考え、周王朝の食事を断固として拒否した二人は、首陽山に隠居し、やがて餓死しました。孔子は、高潔な志向を持ち、自らの信念を貫き、現実に妥協しないこの二人を高く評価しました。『伯夷列伝』を『史記』の70巻の列伝の第一巻にしたのも、著者の司馬遷の気節に対する称賛を示します。

▶ 続きを読む
関連記事
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。
髪は見た目以上に多くを語ります。ストレスや栄養状態、環境曝露まで記録する“健康の履歴書”としての可能性と限界を、最新研究と専門家の視点から読み解く注目記事です。
「少量なら大丈夫」は本当?240万人を分析した最新研究が、わずかな飲酒でも認知症リスクが高まる可能性を示唆。脳の健康とお酒の付き合い方を見直すきっかけになる一記事です。
「忙しい=充実」と思っていませんか。最新の研究と実体験から、過度な忙しさが心身や人間関係に及ぼす見えない代償を解説。立ち止まることの本当の価値を考えさせられる一編です。
透析は命を救う治療だが、腎臓が本来持つ「回復力」を見えにくくしてしまうこともある。必要な時だけ透析を行う新たな治療法で、回復率が高まったという研究と、透析を離脱できた女性の実体験。