ミャンマー国連大使、異例のクーデター非難 国際社会の行動訴え

[ニューヨーク 26日 ロイター] – ミャンマーでクーデター前から国連大使を務めるチョー・モー・トゥン氏は26日、選挙で国民に選ばれた民主政権を代表する立場として国連総会の会合で演説した。ミャンマーの民主主義復活に向け、「ミャンマー軍に対し行動を起こすため、あらゆる手段を使うべきだ」と訴えた。

「われわれは、軍事クーデターを直ちに終わらせ、罪のない人々への弾圧を止め、国家権力を人々に返し、民主主義を回復するため、国際社会のさらなる強力な行動を必要としている」と強調した。

政府当局者が、全権を掌握した国軍を非難するのは異例だ。

大使は、合法的なミャンマー政府を代表する選挙で選ばれた人々の代わりに発言するとして声明を読み上げ、演説の最後には、国軍クーデターに抗議する人々が使う独裁への抵抗を示す3本指も掲げた。

これに先立ち、国連のブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)は、いかなる国もミャンマーの軍事政権を認めたり、正当化したりすべきではないと指摘。国際社会は「ミャンマーの民主主義を支持する明確なシグナル」を発する必要があると強調した。

トーマスグリーンフィールド米国連大使は、自らの行動には結果が伴うことを国軍に示すため、米国は「同盟国やパートナーと緊密に連携して行動を起こす」と表明。「きょうここにいる全加盟国に対して、あらゆる手段を用いて、ミャンマーの人々に対する暴力は容認されないことを軍部に示すよう促す」と述べた。

一方、中国の張軍国連大使は、国際社会はミャンマーの主権を尊重し、「緊張の激化を避けるべきだ」と述べ、混乱収拾と早期の正常化に向け、中国はミャンマー関連当局と連絡をとっていると説明した。

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