【ほっこり池】海に祈る

  3月。その日が近づいてきました。

 10年前。地が揺らぎ、海がふくらんで、見たこともないような大波が押し寄せました。たくさんの人が、黒い波に呑まれてしまいました。その人の名前を、気が遠くなるほど叫びました。自分のこの手を竹竿のように伸ばしましたが、あと少しのところで届かず、目の前で、その人は引き波にもっていかれました。

 家がなくなりました。街も消えました。誰のいたずらか、建物の上に船が乗っかっていました。こっちの四階の窓には、自動車が刺さっていました。

 死ななかった人は、泣いて、泣いて、泣いて、それでも次の日を生きました。次の日を生きて、また次の日を生きて、いつの間にか10年が経ちました。

 海に向かい、瞑目して祈ります。東京湾でも、大阪湾でも、どこの海でもいい。つながっているその海に向かって。

(慧)

関連記事
釈迦牟尼佛が父王の死に際し、人生の無常や執着を超える道について語り、難陀に出家を促すまでの感動的な物語。
断食の基本は「賢く食べること」 老廃物を輩出し、細胞を健康にして免疫力を高めるために、食べない時間を決めることなのです。顔中に吹き出物があった人が断食をして、吹き出物がきれいに消えた人を見たことがありますが、本当に美しい肌になりました。
香港で唯一の「レゴ認定プロビルダー」の洪子健さんのチームは最近、長さ26メートル、幅1.78メートルの中国絵画の至宝「清明上河図」を再現し、ギネス記録に認定した。
歳を取れば更年期障害。しかし、心を磨いてきた人にはなんてことはない。気分が軽いということは執着が少ないということ。どんな欲望や執着に対しても、離れて淡々とすると、体は軽くなる。
プロのテクニックで南向きの窓もピカピカに!筋を残さず仕上げるためのスキージー技術と道具の選び方を解説