大紀元
古代中国の物語

賢く優しい妻は富を生む

明の時代、中国江蘇省常州辺りに父親、義母、兄夫婦と弟の5人の一家が住んでいた。前妻の子ども・呉子恬(ごしてん)は、常に義母から理不尽な扱いを受け、時々苛立ちを感じていた。そんな時、いつも妻の孫(そん)が夫に優しい言葉をかけ、義母に対して決して逆らわないようにと慰めていた。               

父親が他界した後、義母はすべての金銭と肥沃な耕地を自分の子ども、呉の弟に分け与え、呉には僅かな貧しい耕地しか与えなかった。呉は憤慨したが、彼の妻は、土地は貧弱かも知れないが、畑を一生懸命耕せば、きっと生活苦を乗り越えられるし、義母を決して怒らせないようにと夫をなだめた。                

数年が過ぎ、呉夫妻は努力が報われ、10年の歳月を経て少しずつ富を手に入れた。一方、弟は賭博に耽り、早々と土地や財産をなくして途方に暮れていた。これを知った孫は、かつて義母から受けた不公平な扱いを振り返ることもなく義母と弟を迎え入れ、一緒に暮らそうと呉に提案した。また、賢く優しい孫の内助の功により、3人の子どもは優秀な成績で学業を終え、科挙制度の試験をトップで通過した。                                                                   

古人曰く、「やられたらやり返す、そんなことを繰り返していては、いつになっても互いに恨みをなくせない」。悪をもって悪を制しても問題解決にならないばかりか、恨みがより一層深まってしまう。徳を持って恨みに代え、寛容なこころを持って相手と接すれば、心のわだかまりが無くなり、全てが穏やかになる。

(翻訳編集・潤)

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