<心の琴線> 善の念
ある日、白血病を患う囚人が病院に運ばれてきた。彼は骨髄移植が必要であると診断された。彼は性格的に大きな問題を抱えており、経済的にも貧しかったが、病院側は人道的な立場から彼を引き続き治療しなければならない。医師は、骨髄バンクから彼に適合する骨髄提供者(ドナー)を探すことにした。
ほどなくしてドナーは見つかったが、医師は彼のような犯罪者を救うべきかどうか迷った。医師はドナーに、患者が囚人であることを告げ、「あなたはそれを拒否することができます」と伝えた。もし、ドナーが拒否すれば、医師は彼を治療しなくてすむのだ。
しかし、ドナーは善の念を持って答えた。「私は骨髄提供に同意します。たとえ、彼が間もなく銃殺される死刑犯だったとしても、彼が一日でも生きることができるならば」
そして、病院は囚人に骨髄移植の手術を行った。手術後、彼は程なく元気を取り戻した。後に、彼はドナーが、犯罪者である自分の身の上を知っていながら、心よく骨髄を提供してくれたことを知った。彼はこれまでの間違った生き方を深く反省し、心を改める決心をした。彼は刑務所に服役しながら一生懸命に勉強し、とうとう看護学校に合格した。
学校を卒業すると、彼は看護師の仕事に就いた。心から、骨髄移植を受ける患者を助けたいと思ったからだ。
善の念は大きな力を持っている。善の念から骨髄を提供した人が、一つの生命を救い、人の心を変え、善に導く事が出来たのだ。
(2011年10月26日の記事を再掲載致しました)
(翻訳編集・李頁)
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