処理水放出、安倍前首相の「アンダーコントロール」発言と矛盾せず=菅首相

[東京 13日 ロイター] – 菅義偉首相は13日、東京電力福島第1原子力発電所で増え続けるトリチウムなど放射性物質を含む処理水の海洋放出を決めたことを受けて記者団の質問に応じ、処理水は放射性物質の濃度が十分低いため、安倍晋三前首相が同原発について「アンダーコントロール(制御下にある)」と発言したことと「矛盾しない」と述べた。

2013年9月、首相だった安倍氏は東京五輪招致に向けた国際オリンピック委員会(IOC)総会の場で、第1原発の状況は「アンダーコントロール」と語った。菅首相は処理水の「トリチウム濃度が国内規制基準の40分の1以下で、国際原子力機関(IAEA)も評価しており、そこは全く矛盾しない」と述べた。

処理水の海洋放出は、漁業関係者の風評被害への懸念から反対も多い。菅首相は「処理水の貯蔵タンクが増加し、敷地がひっ迫しているのも事実。福島の廃炉を進め復興を成し遂げるためには避けて通れない。そのような中で判断した」と説明。「さまざまな機会において、しっかり説明していきたい。今日は梶山経産相が地元で説明している。内閣全体で責任を持って対応していく」と強調した。

▶ 続きを読む
関連記事
英国が国家支援型サイバー攻撃に関与した中国企業2社を制裁。80超の政府機関を標的にした攻撃を抑止する狙い。日本はこの公開非難を支持した
ポーランド憲法裁判所が共産党を違法化。東欧の脱共産化の流れが中国ネットで反響を呼び、中共批判の声が噴出。民衆の覚醒と体制転換の兆しが見える
オーストラリアが12月10日、世界初の16歳未満SNS使用禁止を実施。FacebookやTikTokなどが対象で、違反企業に最大48億円罰金。成人の77%が支持する一方、青少年の70%が反対
台湾のSNSで、大紀元や法輪功への過去の不信を改め「謝罪しよう」と呼びかける動きが広がっている。中国で新たな事実が相次ぎ浮上し、認識を変えた利用者が増えているためだ。
世界フィギュアスケート・グランプリファイナルで、米国のアリサ・リウ選手が女子シングルを制し注目を集めている。名古屋での大会で圧巻の演技を披露した一方、父が天安門事件後に米国へ亡命した元学生運動指導者であることも改めて話題となっている。