米USTR代表、気候変動対策を通商政策の柱に据えると表明

[ワシントン 15日 ロイター] – 米通商代表部(USTR)のタイ代表は15日、環境保護と気候変動への取り組みを促進するための通商政策を発表し、破壊的な環境の連鎖反応を防ぐ上で米国が主導的な役割を果たす考えを示した。

シンクタンク、アメリア進歩センターでの講演で、米国の気候問題への取り組みが汚染産業を基準の緩い国に移転することなってはならないと述べ、包括的でグローバルな行動が唯一の解決策になると指摘した。

企業へのインセンティブにより環境基準の高い国が競争上不利になる「底辺への競争」が起きている現在の状況を変えるため、新たなルールが世界貿易機関(WTO)に必要と訴えた。

「科学が示すように破滅的な環境の連鎖反応を防ぐチャンスは急速に失われつつある。世界的な解決策への協調した取り組みにおいて米国はリーダーにならなければならない」と主張した。

タイ氏は「環境保護を抑制しない公平な競争」を促進することが目標とし、国際貿易のルールは労働者を守り公平性の問題にも対処しなければならないと述べた。

化石燃料から確実に脱却するために環境に配慮した技術・商品・サービスの開発と戦略的なサプライチェーンの構築が必要とし、そのためにはサプライチェーン全体でクリーンエネルギーを使用する大胆な改革が不可欠と強調した。違法伐採や過剰漁業に対処する新たな国際合意が必要とも述べた。

米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)は世界の貿易協定の中で最も包括的な環境基準が盛り込まれているとして、積極的に推進する考えを示した。ただ気候変動を明確に認めていないことが「重大な欠落」と述べた。

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