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≪医山夜話≫ (51)

子どもの下痢

フェルナンド医師は患者さんたちから尊敬されているホームドクターで、私と同じ診療所に勤めています。私たちはよく漢方医学と西洋医学の異なる治療法を互いに検討しながら、おのおのの持つ良い点を取り入れて欠点を補い合っています。

 ある日、彼が心配そうな顔をしていました。「どうしたのですか」と聞くと、彼は苦笑いをして私に話してくれました。「自分の子供が連日下痢をしたので、注射したり薬を飲ませたり、私が知っているすべての治療法を駆使したのですが、効果がありません。子供はとても辛そうでした。今朝、怒った妻は子供を抱いて『ママと一緒に本当のお医者様を探しに行きましょうね!』と僕に聞こえよがしに言いました」

 奥さんの言葉を聞いて、彼はとてもショックを受けたようでした。みんなに敬愛されている彼が「本当の医者」でなかったとしたらどんな医者が「本当の医者」なのでしょうか? しかし、自分の子供の些細な病も治せないのですから、奥さんが腹を立てたとしても仕方ありません。

 彼は私の顔を見てから突然閃いたように、「そうだ、漢方医のあなたに、子供の下痢の治療法をどうして聞かなかったのだろう」と言いました。

 彼によると、子供は毎日夜中や早朝に液状の便が出て、中には消化不良の食物がありました。腹部も膨れていました。子供の食事はいつもと特に変わったところはないのですが、だんだん痩せ細っていると彼は言いました。

子供はここ数ヶ月、いつもおへそを出して寝ているということが彼の説明から分かりました。そこで、私は漢方の角度から、へその保温の重要性を話しました。また、中国と西洋の間の文化と生活習慣の相違にまで話が及びました。西洋の人は普通、へその冷え込みと下痢に関係があるとは考えつかないのです。私は、西洋の幼児の食習慣に取り入れられているもの、例えば冷たいジュース、フライドポテト、チョコレート、アイスクリーム、ハンバーガー……などの冷たいもの、脂っこいものなどが原因で子供のお腹が消化不良を起こしたと説明しました。さらに、夜に冷え込んで下痢をしないわけがありません。私がここまで話すと、彼はやっと子供の病因を理解したようでした。

 彼は漢方医の理論がとても理に叶っていると思い、家に帰ってからさっそく漢方の方法で子供の生活習慣を変え、へその保温にも注意しました。しばらくすると、子供の下痢は止まったようです。

(翻訳編集・陳櫻華)

※≪医山夜話≫ (51)より

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