バイデン氏、共和トップと増税案で相違埋まらず 与党単独可決も

[ワシントン 12日 ロイター] – バイデン米大統領は12日、ホワイトハウスで就任後初めて共和党トップと会談し、数兆ドル規模のインフラ投資計画について協議した。バイデン氏は会談後、計画を巡り妥協の余地はあるとする一方、必要なら与党単独で進める考えを示した。

共和党のマコネル上院院内総務とマッカーシー下院院内総務は会談で、インフラ投資計画についてバイデン大統領と共に取り組む姿勢を表明した。ただ、マッカーシー氏は会談後に「増税を行う共和党員はいない」とし、ガソリン価格の上昇などに言及して「米経済にとって増税ほど最悪のものはない」と表明。マコネル氏も、共和党にはトランプ前政権時代の2017年に実施された税制改革を再協議する意向はないとし、「これは越えられない一線であるとバイデン大統領に明確に伝えた」と述べた。

バイデン大統領はその後、NBCのインタビューで、見解が一致する部分について超党派合意をまず得てから、共和党の協力が必要なその他の事項について対応すると表明。

「道路、橋梁、ブロードバンドインターネットなどのインフラについて、できるだけ多くの超党派合意を得たい」と述べ、当初の提案よりも範囲が狭い投資計画で妥協する用意があることを示唆した。ただ、「必要なら共和党なしでできるかどうか検討する」とも述べた。

バイデン政権はインフラ投資計画の財源確保に法人税率を21%から25─28%に引き上げたい考え。ホワイトハウスのサキ報道官は「バイデン大統領は勤勉に働く国民に対する増税を計画しているわけではない」とし、「手をこまねいて何も対応しないことは容認できないというのが基調的な考えで、年収40万ドル以下の国民に対する増税は行わない」と述べた。

この日の会談に出席した民主党のペロシ下院議長は、会談を受け超党派のインフラ投資法案の実現にこれまでよりも楽観的になったとし、「価値観は異なるものの、実施を目指すことについて合意しようという見解の一致が得られた」と述べた。

ホワイトハウスは会談後に発表した声明で、大統領は約2時間にわたり「生産的な」会談を行い、特にインフラ投資計画について協力が可能な部分の洗い出しを行ったと説明。「バイデン大統領は民主・共和両党の間にいかなる相違が存在しようとも、実際の競争は米国とその他の国との間のものになると強調した」とした。

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