5歳男児登校を拒否、両親は街にゴミ拾いに連れて行く。写真と本文は関係ありません(gettyimages)
わが子のやる気スイッチはどこに

ネットで称賛 不登校の子供に「学校へ行きたい」と言わせた賢い方法

もし、子供が二度と学校に行かないと言ったら、親としてどう応えるべきでしょうか?タイのある夫婦の対応が話題となっています。

2008年1月、バンコクに住む一人の母親Nuttanitcha Chotsirimeteekulさんと夫は、息子が学校に行きたくないと駄々をこねたために、会社を休まざるを得なかったといいます。後にChotsirimeteekulさんは自身のFacebookで、彼女と夫がどう説得しても息子は全く聞かなかったと明かしました。

彼らは考えた結果その日は学校を休ませ、息子を連れて街にゴミ拾いに行くことにしました。彼らは息子と共に、道端に捨てられていたペットボトルやガラス瓶を拾いながら、道沿いを歩き続けました。ある程度集まると、それらを売ってお金に変えます。

Chotsirimeteekulさんは投稿の中で、彼女らが歩いた距離は2.2kmに上り、拾った容器の総重量は2kgで、それを売って得たお金は2バーツ(約6円、0.1米ドル相当)だったと語っています。

換金したお金を見て、息子は彼女に「バスに乗れる?」と尋ねました。

そこで彼女は「バスに乗るには10バーツ必要だよ。お金ある?」と聞き返しました。

息子は苦い表情で「ない」と答えました。

「ならばもっとたくさんボトルを拾ってお金を集めないと」母親はこう息子に返しました。

そこでの息子の返答にChotsirimeteekulさんはとても驚いたそうです。

「わかった。僕歩く」彼はこう母親に返したのです。

少し経つと彼は再び母親に向かって「アイスが食べたい」と言いました。

「アイスを買うには5バーツ必要だよ。足りるかな?」母親は息子にこう返しました。

少年は答えました。「足りない。じゃあ僕いらない」

もうしばらく歩いた後、母親は息子に「疲れた?」と聞きました。

彼は「疲れた。暑い。僕もう帰りたい」と文句を言いながら答えました。

帰宅後、Chotsirimeteekulさんは当時の様子をFacebook上にシェアしました。彼女が投稿した写真や映像からは、少年の額に汗が浮かび、疲れ切っている様子が見て取れます。そして投稿した文章には、「息子には教育を受けられる機会を大事にしてほしい。同時に、父と母はいつでも彼の味方であり、そばで見守っているということを知ってほしい」と書かれていました。

彼女の投稿は瞬く間に拡散され、教育方法が創意に富んでいると、多くのネットユーザーからの賞賛を集めました。

「彼が大きくなって人生での成功を収めた時、きっと両親からの愛に感謝する日が来るでしょう」

「素晴らしい母親ですね!あなたみたいな母親が増えれば、社会はもっと良くなります」

Chotsirimeteekulさんはまた、その後の様子を撮影した動画もアップしました。動画の中で、彼女が息子に「これからは学校と会社どっちに行きたい?」と尋ねると、息子は大きな声で「学校に行きたい!」と答えました。

皆さんは、この両親が息子に学校を休ませて、ゴミ拾いに連れて行ったことについて、どういう考えをもったでしょうか?結局のところ、この少年が学校を休んだのは、休息を得たわけでも遊びに費やしたわけでもなく、もっと多くのものを学んだのでした。

彼はきっとこの教訓をずっと覚えているでしょう。そしてこの出来事は、彼の成功へのモチベーションとなっただけでなく、きっと彼は、両親が自分の教育に費やしてくれたすべての努力に感謝することになるでしょう。

 

(文・李小明 翻訳・牧村光莉)

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