EU外相、ベラルーシ制裁でカリや金融など対象に検討

[リスボン 27日 ロイター] – 欧州連合(EU)は、民間旅客機を強制着陸させ、反体制派のジャーナリストを拘束したベラルーシに対する制裁措置について、主要輸出品目であるカリおよび石油・金融セクターを対象とする方針だ。

欧州の首脳は、ベラルーシが旅客機を強制着陸させ反体制派ジャーナリスト、ロマン・プロタセビッチ氏を拘束したことを厳しく非難し、経済制裁を含む追加制裁を発動することで24日に合意した。

27日のEU外相理事会に出席した各国外相は、ベラルーシ経済の中核部分を制裁対象にすることを検討していると述べた。

ボレルEU外交安全保障上級代表(外相に相当)は記者団に「旅客機のハイジャックと搭乗客2人の拘束は全く受け入れられない。われわれは、セクター的、経済的な制裁について議論を始める」と述べた。

ルクセンブルクのアッセルボルン外相は「キーワードはカリだと考える。ベラルーシは大量のカリを生産し、世界有数の供給国だ。この分野で何らかの措置を講じれば、ルカシェンコ大統領にかなりの打撃を与えることになると思う」と述べた。

リトアニアのランズベルギス外相は、石油部門を制裁対象とすることを検討すべきだと主張した。

ドイツのマース外相は、金融取引を対象とした措置に言及。外交筋によると、ベラルーシの銀行に対しEUから融資するのを禁止する措置が予想される。

マース氏は債券発行も制裁対象になる可能性を示唆。

「われわれは、資金調達手段を(制裁に)利用するか話し合っている。特に、ベラルーシ政府や中央銀行が将来的に欧州で債券を発行するのをどの程度容認すべきかが問題になる」と記者団に語った。

カリは肥料の原料で国営ベラルーシカリが、世界の供給量の20%を生産し、ベラルーシの重要な外貨獲得源の一つになっている。

EU統計局によると、ベラルーシからのカリを含む化学品の輸入は昨年は12億ユーロ(15億ドル)。原油・石油製品の輸入は10億ユーロ超だった。

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