医学古今

目の疲れは伝統医学で改善

パソコン、スマートフォン、テレビ、ゲーム機の普及とともに、VDT症候群(Visual Display Terminal)を患う人が増えています。デジタル機器を長時間利用することにより、や体、心に支障をきたす病気で、IT眼症、あるいはテクノストレス眼症とも呼ばれています。

VDT症候群の症状としては、目の乾き、痛み、かすみ、 充血、視力低下などの眼精疲労の症状以外に、首や肩、 首、肩、腕、背中のコリと痛み、足や腰のだるさ、手指のしびれなどの筋疲労の症状、また頭痛、めまい、疲労感、イライラ、不安、食欲不振、不眠などの神経症も見られます。

治療するにはVDTの使用を控えるのが最も効果的ですが、難しいのが現状のようです。以下の伝統医学を使った方法は、症状を和らげる効果があるでしょう。

目の運動

両手の手のひらを合わせて擦り、温かくなったら両目に軽く当てたまま、眼球を右回り、左回り各9回ほど回します。次に上下9回動かし、さらに左右各9回眼球を運動させます。一通り終わったら、もう一度始めから眼球運動をします(2回するとよい)。この運動は眼の周囲の循環を良くし、眼精疲労を改善する効果があります。

耳ツボの按摩

耳たぶの真ん中に目の代表点があります。親指と人差し指で耳たぶを抓んで優しく揉み、毎回、3分間ぐらい続け、朝晩1回ずつ按摩すれば、目の疲労を改善できるでしょう。

天鼓(てんこ)を鳴らす

両手のひらで両耳を押さえて、指は自然に伸ばして後頭部に置いたまま、人差し指は中指の上に乗せて、力強く滑り落ちるように後頭部を叩きます。一度に36回叩きます。しばらく休んでから、また二度、三度と同じように36回叩きます。頭は体の最上部にあり、体の天に相当し、叩いた時の音は、太鼓を叩く時の音に似ているので、「天鼓を鳴らす」とも呼ばれています。

以上の方法は自分でできますが、継続することが重要です。自分で継続できず、或いは効果が不十分の場合、漢方と鍼灸の治療を受けることをお勧めします。

漢方治療

漢方の理論では、目の機能は肝腎の強さと密接に関連していると考えられています。肝腎の機能が強ければ、目の疲労は起こりにくく、逆に肝腎の機能が弱ければ、目の疲労が起こりやすくなります。故に眼精疲労の予防と治療には、主に肝腎の機能を改善する薬を使います。よく使われるものは「杞菊地黄丸」、「明目地黄丸」、「石斛夜光丸」などがあります。

鍼灸治療

鍼灸治療は、やはり肝腎機能の改善と目の周りの循環改善を中心に行います。晴明、瞳子髎、風池、肝兪、太衝、光明などのツボが使われます。

クルミ灸は慢性眼疲労を改善する有効な方法です。半分のクルミの殻を枸杞子、菊花の煎じ液の中に3日間漬け、乾かしてから目の上に被せて、殻の上にモグサをつけて燃やします。その熱はクルミの殻を通して目に伝わります。専用の眼鏡の枠につけてやれば、より安全にできます。菊花は清肝明目の作用があり、枸杞子とクルミの殻は補肝腎の作用があります。

以上の方法でも、十分な効果が得られなければ、気功修煉の方法をお勧めします。実際、私も気功修煉の方法で眼精疲労から完全に解放された一人です。

気功修煉

気功法には様々なやり方がありますが、一番効果的なのは「法輪功」です。「法輪功」の内容はホームページで無料で閲覧できますので、興味がある方は、ぜひご覧ください。

(この文章の著作権は著者にあります)

(中医師、医学博士・甄立学)

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