ブラジル空軍のUH-60ブラックホーク軍用ヘリコプター。参考写真((EVARISTO SA/AFP via Getty Images))

中国、ステルスヘリの最新モデル公開 米メディア「スパイ活動で開発期間を短縮」

米軍事情報ニュースサイトのThe Warzoneは5月30日、中国のヘリコプター設計研究所がこのほど展示した最新モデルは、ステルス機能をもつ直-20(Z-20)軍用ヘリコプターと思われると指摘した。「直-20」は米軍ヘリ「ブラックホーク」に酷似していることから模倣版と言われている。

記事によると、中国はステルス技術の開発に力を入れており、特に攻撃・偵察用ヘリコプター分野で技術の獲得に注力している。

記事は中国のサイバー攻撃などスパイ活動によって、その開発は大幅に短縮されたと指摘した。

中国の「天安門事件」と米国のステルス機の販売禁止

記事によると、米国は1980年代、中国に軍事設備を販売し、中国は米国から「H-60ブラックホーク」ステルス機を購入していたという。しかし、1989年6月4日の「天安門事件」を機に取引は停止した。

中国のステルス航空宇宙技術が大きな飛躍を見せたのは、米軍によるビンラディン殺害作戦後だった。

2011年5月2日、米国は9.11同時多発テロ事件の首謀者である国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)最高指導者ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者の殺害作戦で、初めてステルス型ブラックホーク・ヘリを使用した。同機は天候の影響でビンラディン容疑者の潜伏地アボタバード(Abbottabad)での作戦中に墜落したが、世界にその名を轟かせた。

作戦を実行した米海軍の特殊部隊SEALsは墜落したヘリを爆破処理したが、尾翼が無傷で現場に残っていたという。パキスタンはその後、残骸を持ち去り、米国との交渉の切り札とした。

米国のライバルで、パキスタンのもう一つの武器供給主要国である中国は、同機の尾翼を詳しく調べたとされている。約3週間の交渉を経て、尾翼は米国へ送還された。

報道によると、この約3週間にわたって行方不明になった尾翼は、中国のステルス技術の開発を少なくとも10年間短縮させたという。

ヘリコプターの尾翼には極めて高度な「ステルス」技術が施されており、胴体に次ぐ研究価値の高い部位となっている。

中国外務省は当時、残骸が中国側に渡ったとの見方が出ていることについて「荒唐無稽だ」と否定した。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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