【歌の手帳】五月待つ
五月待つ花橘(はなたちばな)の香をかげば昔の人の袖の香ぞする(古今集)
歌意「五月(さつき)に咲く橘の花を、今年も心待ちにしてきました。その香をかぐと、昔親しかった、あの殿方の袖の香を思い出せますもの」。
よみ人知らずの歌です。「袖の香」の持ち主は男性ですので、歌の作者は女性でしょう。作者が男性であれば、女性がもつ「長く美しい髪」を歌に詠んだはずです。柑橘類である橘は、花は鑑賞の対象になりませんが、芳香がすばらしいので文学の題材となります。
ちなみに顔の美醜については、和歌の世界ではあまり題材になりません。なにしろ暗くて、相手がほとんど見えない室内での恋愛ですので。
古文での五月は、ほぼ新暦6月に当たります。橘の花も、ちょうど今の季節です。
(聡)
(読者の皆様へ)下のコメント欄へ、ご自作の「短歌」「俳句」をお寄せください。歌にまつわるお話も、ぜひお書き添えください。皆様とともに作り上げる、楽しいコーナーにしたいと願っております。なお、狂歌や川柳は、また別の機会とさせていただきます。お待ちしております!
関連記事
胆石は、多くの人に見逃されがちな健康リスクです。胆嚢内で硬化した結石が形成されると、消化に関連する問題や激しい痛みを引き起こす可能性があります。無症状で発見が遅れることもありますが、適切な知識を持つことで予防と早期対応が可能です。この記事では、胆石の原因、リスク要因、診断方法から、手術や自然療法による治療法までを詳しく解説します。健康的な生活習慣を取り入れることで、胆石のリスクを減らしましょう。
慶應義塾大学の研究で明らかになった健康長寿の鍵とは。老化予防と7,500歩の歩数がもたらす効果をご紹介します!
カルシウム不足が引き起こす体の不調とは?夜中の足の痙攣や骨粗鬆症を予防するために、毎日の食事での対策を解説します。
内なる不満を見つめ、愛を与える方法を通じて、心の癒しと新たな可能性を見出すヒントをご紹介します。
最新研究が脳損傷患者の意識の可能性を示し、医療や家族の対応に新たな光を当てます。