英下院委員会、ウイグル問題で中国への制裁強化求める 北京五輪ボイコットも
英下院外交委員会は8日に提出した調査報告書で、新疆ウイグル人の人権問題に対して政府がより強い制裁を実施し、2022年北京冬季オリンピックの一部をボイコットするよう求めた。
37ページに及ぶ同報告書は、中国共産党政権が新疆ウイグル自治区で「人道に対する罪」と「ジェノサイド」を行っていると非難し、英政府に、この暴挙を制止するための具体的な政策方針を提言した。
外交委員会は、ジョンソン政権に対して、国際刑事裁判所(ICC)を通じて新疆ウイグル自治区での人権問題を捜査することを提案した。
報告書は、中国当局はウイグル人住民に対して「強制労働、再教育施設での恣意的拘禁、ウイグル文化の消滅、レイプ、強制不妊、ハイテク技術による監視」などを実行しているとした。「中国当局による深刻な人権侵害の証拠には反論の余地がない。ウイグル人に対するこれらの行為はすべて中国の中央指導部が承認している」とした。
外交委員会のトム・トゥーゲントハット(Tom Tugendhut)委員長は、これらの証拠は「圧倒的であり、議論の余地がない事実である」とし、「英議会はジェノサイドとして認識することを決めた」と話した。
委員長はまた、「英政府は議会の決定を認め、政府の対応を強化すべきだ」と示した。
報告書は、英政府が「新疆綿」の輸入・取引禁止令を衣料品業界から他業界に拡大するよう求めた。同時に、来年の北京冬季オリンピックの開幕式と閉幕式に、同国高官を派遣しないほか、英企業は同大会のスポンサーにならないよう求めた。
さらに、北京冬季オリンピックに出場する予定のスポーツ選手には、中国当局のプロパガンダ宣伝を支持しないよう要求し、英国民は自宅で大会を視聴するよう呼びかけた。
報告書は、新疆の再教育施設に中国監視カメラ大手、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)の監視システムが使われているため、英国内における同社の事業展開を禁じるよう提案した。
現在、英国のレジャー施設や学校は同社の防犯カメラを使用しているという。
また、報告書は英国に亡命したウイグル人や他の少数民族に対して保護措置を強化し、ウイグル族の文化を守るために資金を提供することも提言した。
外交委員会は、中国側が国連人権高等弁務官などが新疆に入り現地調査を行うことを許可するよう、中国当局に圧力を強めていくと示した。
(翻訳編集・張哲)