アレクサンダー・ダウナー豪元外相(Tracey Nearmy/Getty Images)

国際社会で孤立深まる中国 豪元外相「自業自得」

豪州のアレクサンダー・ダウナー(Alexander Downer)元外相は11日、「いじめっ子の中国は豪州の勇猛さを理解していない」と題する評論文章をメディアに発表した。同氏は「豪州を懲罰の対象として見せしめにした中国の外交政策は誤まっている」と指摘し、「その結果、豪州と同盟各国との関係がより緊密になり、中国は国際的にますます孤立した。すべて自業自得だ」と中国を批判した。

豪ビジネス金融紙「オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー(AFR)」によると、ダウナー氏は文章の中で、「1970年代以降、中国は大きな経済的成果を上げ、国際社会で一定の地位を獲得した。しかし近年、ロシアやイランと同盟を結成するなど災難的な外交戦略を採用したため、その地政学的目標を損なった」

「中国指導部の最大の誤判は、豪州がイジメに屈し、中国の属国になると勘違いして懲罰の対象にしたこと」と指摘した。「中国は他国を脅すために、豪州を見せしめにした」

豪政府が昨年、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の起源調査を呼びかけた後、中国は直ちに豪州産の石炭や農産物などの輸入を制限した。在豪州の中国大使館は同年11月、豪政府に対する不満を14項目列挙した文書を豪メディアに配布した。

豪政府は輸出先の多様化を図り、制裁による影響を最低限にとどめた。モリソン首相も中国の圧力に屈しないと表明した。

ダウナー氏は中国共産党の高圧的なやり方に対して、「豪州内部でも、中国の脅威の問題において、かつてないほどの結束が見られる。豪議会で中国のイジメに対抗する決意や方法について議論する時、異議はほとんどない。その上、経済界や多くの評論家も団結するようになった」と述べた。

さらに同氏は、中国が他の国をいじめ続ければ、各国の防衛協力をより緊密にするだけだと述べた。

日本の副総理兼財務大臣の麻生太郎氏は5日、中国が武力で台湾へ侵攻した場合、日本は米国と共に、台湾を防衛すると表明した。

「日本の指導者がこのような発言をしたことは、中国にとって大きな『外交的失敗』である。中国はますます孤立している。しかし、これはすべて自業自得だ」とダウナー氏は指摘した。

(翻訳編集・李凌)

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