グラーサ要塞はポルトガルのポルタレグレ地区にあるエルヴァスの町から北に約1 kmのアルカソヴァの村に位置し、ポルトガルの国境を守る重要な砦の一つです。18世紀に小高い丘の上に建てられたこの要塞は、一般的な欧州の城と違って見事な星形をしており、強力な近代兵器が出現するまでは非常に重要な軍事的拠点となっていました。
グラーサ要塞は軍事的に有利な地理的条件を有しており、七年戦争やオレンジ戦争、半島戦争において、極めて重要な役目を果たしました。
また、グラーサ要塞を含むエルヴァス要塞群は、その独特な建築と文化、歴史的意義により、2012年にユネスコの世界遺産リストに登録されました。
グラーサ要塞は実は防衛堅固な軍事建造物であり、兵舎や教会、掩体壕(敵の攻撃から守るための格納庫)、貯水池、カノン砲(大砲の一種)などの付属建築物を含む三つの防衛線から成り立っています。
このような星形の要塞は15世紀のイタリアで初めて現れ、火薬時代に突入した後、大砲などの火薬武器に対応するためにデザインされたものです。
互いにカバーできる稜角が星形の要塞の特徴であり、敵がどの角度、方向から攻めてきても、稜角から銃や弓などを用いて敵を攻撃することができます。
また、重砲による攻撃であっても防衛を突破することが難しいため、難攻不落の要塞だと言われています。
(文・陳俊村/翻訳編集・天野秀)
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