法輪功学習者への迫害は今も続いている。写真は2021年7月16日、ワシントンD.C.のワシントン・モニュメントの下で行われたキャンドル・ビジルに参加する法輪功学習者(大紀元)

今年上半期、100人超の法輪功学習者が強制採血される

明慧ネットによると、2021年上半期、少なくとも9470人の法輪功学習者が中国当局に不法連行されたり、違法な取調べを受けたりした。そのうち少なくとも129人は血液やDNAを強制的に採取されたという。一部情報では、中国当局は全国法輪功学習者のDNAデータバンクを立ち上げる予定。

強制採血は2020年7月、全国32の都市で始まったとみられる。被害者数の上位4地区は、上海市(55人)、湖北省(20人)、山東省(14人)、湖南省(10人)。採血を積極的に執行する上海市の警察当局は「国の方針だ」と釈明した。

血液のほか、個人の写真や、筆跡、電話番号、指紋、身長などの個人情報も収集の対象。

当局の「信仰放棄誓約書」に署名しない学習者が対象だという。事情に精通する弁護士は、「人間のバイオサンプルを違法に収集する疑いがある」と話した。

独マインツ大学医療センター教授、国際医師団体「臓器強制摘出に反対する医師の会(DAFOH)」顧問委員の李会革(り かいかく)氏はかつて大紀元の取材で、採血で得るDNAデータから、臓器適合者を突き止めることができると説明し、強制的な採血は臓器収奪につながる恐れがあると懸念を示した。

臓器強制摘出は今も続く

近年、法輪功学習者に対するバイオサンプルの強制採取は頻繁に起きており、闇の臓器バンクのための情報収集と指摘する声が上がっている。

福建省協和医院は中国医療情報サイトで、2020年5月11〜17日の7日間、同病院は4件の心臓移植手術を集中的に実施したと発表した。 

前出の李会革教授は、中国ではドナーによる臓器提供は極少数だと説明し、「中国でいまだに短期間に適合臓器が見つかることから、巨大な秘密の臓器バンクが存続することを示す」という。

2006年に法輪功学習者に対する大規模な臓器収奪の疑惑が浮上してから、中国臓器移植の実態調査に取り組んできたカナダの人権弁護士デービッド・マタス氏および前アジア大洋州局長のデービッド・キルガー氏の調査報告書は、学習者に対する大規模な血液採取は臓器狩りの重要なプロセスだと記した。

両氏および中国臓器移植問題に詳しいジャーナリスト、イーサン・ガットマン氏の合同調査によると、中国では年間6万~10万件の臓器移植が行われ、2000〜16年の合計数は150万件に上った。臓器の主な供給源は法輪功学習者だという。

中国の伝統的な修煉方法・法輪功に対する臓器収奪疑惑に国際社会が関心を寄せている。

旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷で検察官を務めたジェフリー・ニース卿が主宰する「中国臓器強制収奪についての民衆法廷」は2019年6月、「中国では、良心の囚人からの臓器強制摘出は今も続いている、犠牲者の数が膨大とみられる」「法輪功学習者は主要の臓器供給源」という調査結果を公表した。

米下院議会では、2016年6月に法輪功学習者など良心の囚人からの系統的で強制的な臓器摘出を非難する「343号決議案」が全会一致で通過、2020年12月には下院議員グループは「臓器不法摘出法」を提出した。2021年に入ってから、イリノイ州、テキサス州、ペンシルベニア州、バージニア州の議会は相次ぎ、中国の臓器収奪を非難する決議案を可決した。

イギリスでは2021年2月に成立した「医薬品および医療機器法案(Medicines and Medical Devices Bill)」改正案は、ヒトの組織、臓器などの輸入には適切な同意証明を必要と定め、中国の収容者から強制摘出された臓器が英国の医療界に入るのを防ぐためとみられる。

(翻訳編集・叶子)

 

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