アフガン情勢を予想していた?先手打つトヨタ タリバンが同社の車入手困難に
アフガニスタンの反政府武装勢力「タリバン」は15日、首都カブールの大統領府を占拠し、政権掌握を発表した。米経済メディア「QUARTZ」は16日、「トヨタはタリバンのカブール占拠を早くから予想していたようだ」と題する記事を発表した。記事は、トヨタ社はタリバンの手に自社車両が渡ることを阻止する「先手」を打っていた、と報じた。
それによると、トヨタのトラックやSUVは、タリバンが長年にわたり使用している。トヨタ車は、アフガニスタンの地形に合わせて頑丈に作られており、夏の暑さを凌ぐためのエアコンも付いている。アフリカの紛争を研究している独立系スーダン人研究者のアシム・エルハグ氏は、トヨタのランドクルーザーに対空砲が装備されているのを見たことがあるという。
これを問題視したトヨタは今月2日、日本で発売される新型ランドクルーザーの所有者に、1年以内に転売しないことを約束するよう求めている。ディーラーの顧客が同規定に違反した場合、ディーラー側は弁償金を支払わなければならない。
トヨタは声明の中で、同措置を行う理由を説明した。「ランドクルーザーは海外で特に人気があるため、新車が工場を出てすぐに海外の安全上懸念されるような特定地域へ輸出されることを懸念している」と述べた。さらに、同社製品が暴力政府やテロ組織の手に渡れば、「外為法違反のリスクがあり、輸出先によっては世界の安全保障を脅かす大きな問題に発展する可能性がある」と法的責任にも言及した。
記事は新ルールの発表時期からみれば、トヨタ社に「先見の明」があると述べた。
トヨタ車はその優れた耐久性や悪路走破性により、世界の反乱軍やテロリストに「武器」として愛用されることで知られている。
シドニーでは2014~15年にかけて800台以上のトヨタ車が盗難被害にあい、テロ組織に渡っている疑いがあると豪州メディアが報じた。
(翻訳編集・李凌)