米国関係で「新時代」インドネシア、最大規模の合同軍事演習を主催
インドネシア外相は2021年8月上旬、インドネシアと米国の軍隊が史上最大規模の合同軍事演習を開始したことで、インドネシアと米国の「二国間関係が新時代」に入ったと述べた。
アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官を始めとする米国官僚等との会談後にワシントンで記者会見に臨んだインドネシアのルトノ・マルスディ(Retno Marsudi)外相は、米国による地域への関与の高まりを歓迎し、ジョー・バイデン米政権との関係強化に対する大きな期待を表明した。
マルスディ外相は記者会見で、「東南アジア最大の経済大国として成長を続ける民主主義国のインドネシアとの戦略的提携を強化することにより、同地域への米国の関与に大きな付加価値がもたらされる」と話している。
「戦略的提携体制」の範囲は貿易、投資、安保だけでなく、公衆衛生にも及ぶと同外相は述べている。米国は8月上旬に新型コロナウイルス対策としてインドネシアの酸素や医薬品の購入とワクチン供給率の向上を支援するため、追加で30億円相当(3,000万米ドル)を支給すると発表したばかりであった。
7月から感染症例が急増しているインドネシアでは、パンデミック発生以来の累計で症例数が350万件超、死者数が10万人に上っている。
インド太平洋地域で影響力を高める中国を牽制するため、米国は同地域における地位の強化に努めており、今回のマルスディ外相の訪米も最大規模の二国間軍事演習「ガルーダ・シールド2021(Garuda Shield 2021)」とほぼ同時期に実施された。
インドネシア国軍の声明によると、インドネシア陸軍参謀長のアンディカ・ペルカサ(Andika Perkasa)大将と米国太平洋陸軍(USARPAC)司令官のチャールズ・A・フリン(Charles A. Flynn)大将は、8月4日から14日にかけてインドネシアで実施されている合同演習により、軍事力と二国間関係を強化する予定であると述べている。
米インド太平洋軍(USINDOPACOM)の発表では、インドネシア国軍兵約850人と米兵1,000人が参加するガルーダ・シールド2021演習は、訓練と文化交流を通じて相互運用性を強化することを目指している。
(Indo-Pacific Defence Forum)